異世界のアフレクションネクロマンサー392
どこまでも飛んで行けると思った戦闘機の戦闘時間の問題。
距離だけで言えば、簡単にドラゴンの巣まで行けるが、戦闘という行いをするとなると話が変わる。
この問題を解決するには戦闘機の改良をという話もあったが、ドラゴンとの戦闘に次ぐ戦闘では、いくら戦闘機を改良しても焼け石に水、そこで考え出されたのが、ドラゴンの巣の近くに拠点を造るという、単純明快な答えであった。
だが、その単純明快な答えで、これしか無いという一択ではあったが、その単純明快で一択しか無い答えを現実にするには、多くの犠牲を払った。
ドラゴンの活動範囲を調べ、偵察が飛ぶ航路を調べ、いざ拠点を造るとなった時、
「今回の作戦は総力戦になる。我々航空隊だけでなく、陸戦隊も総出となる……負ければ血の一滴も残らない戦いになる」
ドラゴン達が新たに産んだ、ドラゴンに襲われた。
その姿はドラゴンから羽を切除した姿。
羽を無くしたドラゴン、その姿をトカゲのようなフォルムで、そのままトカゲを大きくした姿と表現出来れば良かったのだが、羽が無かったとしてもドラゴンなのだ。
蛇のように長い首、熊のように太い手足、堅い鱗に覆われた体に、何にも表現出来ない唯一無二のドラゴンの顔、
体長3メートル程とドラゴンと比べれば小型だが、それでも人より大きいドラゴン。
体を小さくし、羽を失う事で、地を這うドラゴンは大量に産まれ、ドラゴンの巣を中心に勢力を拡大していた……我々が空を手にしたように、ドラゴン達が大地を支配し始める。
ドラゴンが、下賤な者達がいる場所と嘲笑っていた世界を侵略する。
空しか見ていなかった我々には、地上からの侵攻には気付けず、拠点予定地を襲撃されてしまう。
陸に特化したドラゴン、数の暴力が人間の武器だったのに、それをドラゴンが武器にして来た。
ドラゴン達が巨体で飛び掛かって来る、ドラゴン達が巨大な手で兵士の頭を吹き飛ばし、ドラゴン達が嚙みついた場所が食い千切られて消えた。




