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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー377

『みんなも来たな』


渦巻く炎の雲の中で、先生がドラゴンを追い詰めているのに気付いたのか、残った戦闘機達が集まって来る。


この戦いのフィナーレを飾る為に。


銃を構え、炎の渦巻きを見据えると、先程と同じように炎が盛り上がり、これから炎の雲から飛び出すという合図を捉えるが、


『間違って撃つなよ』


「大丈夫だよ」


炎が盛り上がったのは二箇所。


他の戦闘機達は、どっちが先生なのかドラゴンなのか判断出来ずに、銃の狙いを付れていないので、


「こっちだよ」


『ボンッ!!』


どっちが、狙うべきドラゴンなのか撃って教える。


パッと見では、どちらも炎が盛り上がっているようにしか見えないが、しっかりと炎の動きを把握すれば分かる。


ドラゴンの炎の纏い方は割愛するが、戦闘機の方は風を巻き込むプロペラが炎も巻き込むので、炎が膨れながらも吸い込まれる。


これほど独特な違いがあれば、見間違う事は無く、


『ブゥァァァァァァァァ!!!!』


無事、撃たなかった方から先生の戦闘機が飛び出し、


『ギャァァァァァァァァ!!!!』


撃った方からはドラゴンが飛び出す。


炎の中から飛び出したドラゴンは、外の光景を見て…戦闘機の群れが待っているのに気付いて、すぐ様に炎の雲の中に戻ろうとしたが、


『『『ボッボッボッ』』』


出る瞬間を狙い付けられてしまっては、逃げ戻る事は出来ず、戦闘機からの一斉射撃を翼に受けて風穴が空き、風穴から翼膜が裂けると、手足を翼をバタつかせ、頭を振りながら地上へと落ちていくのであった。


_______


夕闇の炎が晴れて、青い空が広がる。


生き残ったのは人類だが、


『……』


「……」


二人して無言になる。


彼は戦闘機の操縦桿から手を離し、自分もまた銃から手を離す。


戦いに勝った余韻というよりは、戦いの疲れがドッと押し寄せて来る。


コクピットに備えらている水筒を取り外して、冷えた甘い紅茶を口に含みながら、周りに視線を回すと、十二機あった戦闘機の内、三機がここにいない。

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