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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー360

この爆発する物のだるい事よ。


最初の頃はこれが何のか分からずに、爆発から飛び出す破片で、一番柔らかい翼膜を裂かれたが……脅威はそれだけ。


タネさえ分かってしまえば、爆発に巻き込まれないようにすれば良いし、不測の事態で巻き込まれてしまったのなら、翼を閉じてしまえば良い。


翼を守った後は、破片が体に刺さるのを我慢すれば良いだけで、そんなのはドラゴン同士の嚙みつき合いに比べれば、子供の頃の噛み合い程度の痛み。


しかも、今回に至っては爆発するだけで、破片が飛んで来ない。


爆発の衝撃、噴き出た煙……そんなので視界を奪っても大した障害にならない。


そんなのは、生物の頂点に立つドラゴンにとっては、数秒の時間稼ぎにしかならない。


爆発に巻き込まれて無意識に翼を閉じてしまったが、脅威にならない爆発に怯む事は無い。


翼を広げて煙を払い、人間にドラゴンの恐ろしさを骨身に叩き込んでやろうとしたが、


『ぶしゅ!!』


このドサクサにまぎれて、誰かが噛み付いて来た。


何を悪ふざけをしているのか?


今は縄張り争いをしている場合では無い、人間という厄介な種を滅ぼして、この世界にドラゴンという種を繁栄させなければならないのに……


『ぶしゅ!!』


牙が体内の中にめり込む。


それは、子供の噛みつき合いとは違う、大人のドラゴンの殺し合いをする時の噛みつき方。


肉が裂かれ、肉に包まれている命を潰そうとする牙に、怒りを覚えたが、何か違和感も感じる。


噛みつかれたのは噛みつかれたのだが、牙だけが体内にめり込んでいるような……視界を奪われている隙に噛まれたというのなら、抱き着かれている感触や重さを感じるはずなのに、何も感じない。


訳の分からない状況にたまらず、翼を広げて煙をはらうと、そこには互いに距離を取っている自分達だけがいる。


これで、誰かが裏切って牙を向けた訳では無い事が証明されたが……ならば、体に穴が開き、そこから溢れるこの血は何なのだろうか。

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