異世界のアフレクションネクロマンサー355
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12機の戦闘機が空を飛ぶ。
パイロット12名と、銃手である12名の選ばれし者達24名。
雁の姿を模倣するように、先頭に一機、その後ろに一機、そして、その後に十機の戦闘機が逆V字に広がる。
『先生、この編成でよろしかったのですか?』
「何でだい?」
『先生の身に、何かあったらかと思うと……私のように代えが効きません』
一番前を飛ぶのは私達が乗る戦闘機で、その後ろに付いているのは随一のパイロットである孤児達、そしてその後に選ばれしパイロット達が付いて来てくれている。
「いや、あなただって戦闘機に乗って戦える貴重な銃手ですよ……あなたには、貧乏くじを引かせてしまって申し訳無いと思っています」
『いえ!!そのような事はありません!!私は兵士であり、一番槍を務めるのは誇り高い事です!!』
「ありがとうございます…先程の質問ですが、あなたの言う通り、本来なら、私が先陣を務めるのではなく、後方に下がっているべきなのでしょうが、実際にドラゴンと相対しているのは私だけですから、不測の事態を考えれば、私が先陣を切るべきなんです」
彼等は、空を飛ぶという意味での訓練は終了しているが、ドラゴンと向き合った事は無い。
ここまで来て臆病風に吹かれる事は無いと思うが、初めての戦闘になれば戸惑う可能性は十分にある。
だからこそ、私が矢面に立って、戦い方を見せようという腹つもりでいるが、
『そうですか…いえ、そうですよね。特にあの子達には、先生の戦っている姿を覚えさせたいものですからね』
「えぇ、あの子達は特別です…あの子達は天才です……私の戦闘機に乗る前に伝えましたが、場合によっては……」
『肝に銘じてあります。それに先生のお考えは何も先生だけではありません。全員が何かあれば、あの子達を守り抜く……あの子達が死ぬような事があれば、我々が代わりに死ぬ覚悟です。なので、その時が来たとしても、先生は最後の最後にお願い致します』
その中でも、あの孤児の子達は特別であった。
それは子供である、彼等を死なせたいくないという想いではなく、本当に彼等はスペシャルなパイロット、エースオブエースだから死なせる訳にはいかないのだ。




