異世界のアフレクションネクロマンサー354
そんな、彼等の背景があるかこそ、彼等のエンブレムが刺繍された旗は人気で、話によると交換する時に多少色を付けないと、交換して貰えないとの事。
それは余談として、自分達の旗が振られるのを誇り高く受け止めていると、
「あれは……」
自分達以外の旗も振られているのだが、その中で特別な旗を見付ける。
それは、マッチを擦って着いた火のように、突然ポッとこの街に現れた先生のエンブレムが刺繍された旗。
「不思議なエンブレムだよな……何で螺旋階段にされたんだろ?」
一人一人がテーマを決めて、そのテーマに沿った刺繡がされ、宣伝者が、刺繍にどのような想いが込められているのかを声高らかに宣言するのだが、
「先生は、この戦闘機を造った人として紹介されただけだからなぁ」
先生の時は、あのエンブレムに付いての紹介が無かった。
赤と青の螺旋階段、その間を光の矢が突き抜けているエンブレム。
「……運命を表しているのかも」
「運命?あれがか?」
二つの螺旋階段が合わさって、一本の銀の矢が空へと向かう……階段は上り下りを表しているが、銀の矢が天に向かっているのは、突き進む事を表しているはず。
(力ある先生が銀の矢で空へと向かい……赤と青の階段を用意して、力無き人々にも天へと昇れるように配慮してくれている……)
きっと…あのエンブレムは導きを表している……そう思う。
「まっ、お前がそう言うなら、そうなんだろうな…よしっ!!出るか!!」
自分達のエンブレムとは違う、異質なエンブレム。
感じた事は間違っていないだろうが、少し解釈は間違っている気もする。
あのエンブレムが、自分達をどこに導くのか分からないが、
「……そうだね!!」
『ガルンガルンガルガルガルガル!!!!!!』
先生が導くままに、今は空へと登っていくのであった。




