異世界のアフレクションネクロマンサー352
街の中に住む人達は勉学を勤しみ、知識を蓄えているかこそ、王になろうと思えばなれる。
ライオンの群れの中の地位の低い雄ライオンが、群れを率いるボスを追い出して新たな王になるように、王を挿げ替えるというのはある。
この国の王様は、国民から反感を買っていなのと、臣下達も親愛しているから、今の所その心配は無いだろうが、暴君となれば外堀を埋められて、ある日ベットの上で『グサリッ!!』とあっけなく殺される事例もある。
(今は大丈夫かもしれないが、今後の事を考えれば、何とも言い難い所はあるが、今の王様以上に先見の明がある人はいない……守らねば)
「これより発進します!!」
「了解です!!」
考えたい事は山ほどあるが、今すべき事は王様が暗殺されたり、失脚させられたりしないように、今をしっかりとこなす事。
いつものようにハンドルを回して水圧を上げて、ペダルを踏み込んでエンジンを高回転させると、
『ガルンガルンガルンガルンガルガルガルガル!!!!!!!!』
「おぉ!!」
「我らが英雄!!」
エンジンの上げた唸り声に、周りの人達が歓声を上げる。
嘘偽りの気休めのドラゴンを殺せそうなハリボテな剣では無く、真にドラゴンを殺せる剣を目の前にして、興奮しない者等いるはずがない。
いつもの森が後ろに流れていく光景とは違い、街並みが、人々が躍動している。
(みんなに見られているんだな……)
村から出掛ける時の親しい人との挨拶とは違う、熱烈な愛のような声援が絶え間無く鳴り響く中、レバーを握る手を腹の方に引けば、
「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
国民達の歓声を後にして、空へと旅立つ。
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「次は自分達の番だね」
「おうよ!!お客様は特等席で遊覧をお楽しみ下さい」
「なにさそれ」
先生が先に飛び立ち、その後を追うように他の戦闘機が空へと登っていくのだが、
「皆さんお待たせしました!!我が国の随一のパイロット!!王様がナンバー1のパイロットとお認めになったのは、なんと最年少の子供達!!」
空へと旅立つ前に、宣伝者の人が前口上でパイロット達の事を彩る。




