表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
879/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー327

最初は、孤児というのが何のか分からず、話を聞いてみたのだが、街に住んでいるので確かに裕福なのではあるが、何かあった時……例えば、病気や戦場で父を亡くした際に後ろ盾がある家庭は良いが、後ろ盾が無い家庭は、父の収入が無くなってからの、街の高い物価に苦しんで生活がままならなくなり、大抵は、元々街に住んでいた人達が集まっている、町へと下る事になるらしい。


だが、それでは、兵士の数や働き手が無くなってしまうので、子供だけは国が預かって、働かせながら育ててくれるとの事。


これだけを聞いた時は、親と子供を引き離して働かせるなどと嫌悪感を覚えたが、それほど問題視する様な事では無いと教えられる。


犯罪行為をして没落をした訳では無いので、自分達がしっかりと成長して大人になった暁には、再び街で居を構える事を許されており、ほとんどの家庭が、町に移り住んだ者達が街へと帰って来る事が出来るらしく、孤児というのは国の為、家族の為に「孤高に生きる児童」を縮めて「孤児」と呼ばれて丁重に扱われ、賃金もしっかりと貰えるとの事。


将来を見据え、必ずまた家族で暮らせるようになると、国から支払われるお金を貯める孤児も少なく無く、国も、孤児の子だった家庭が街に戻った際は、溜めた貯金で一年間は安定して暮らせる様にと、優遇と免除がされる。


しかし、それは逆を言えば、貯金をせずに浪費をすれば、街にはいられなくなるという裏返しでもある。


彼が切った身銭というのは、将来の為のお金。


幸せ手にするのに重要なお金を、家族で街に戻る為に必要なお金で、高額になる薬を支払っていた。


それを知ったのは、体に疲労が溜まって、薬を買おうとした時だった。


こんな高い物は、王の気遣いが無ければ、おいそれと買えないなと苦笑していた所に、彼が薬屋の店主に頭を下げて、ツケにして貰えないかと願っている姿を見てしまった。


私は、彼が薬を持って来れるのは裕福な家庭だからかと思って、生まれの身分の違いとは、ここまで差があるのだなと、少し落胆していたが、彼から色々と教わってその考えを改めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ