異世界のアフレクションネクロマンサー308
『『『グォォォォォォォォォォォ!!!!!!』』』
「…………」
生き残ったドラゴン達は、嘆きの声を上げる。
一緒に連れて逝って貰えなかった事が辛くて、悲しくて……その気持ちは痛い程に分かる。
私だって、同じ気持ちだったのだから…だが、私は決意したのだ……この世界に残ると。
私は、取り残されたのでは無い、使命を果たす為に、先生を見送ったのだ。
ドラゴン達は、何とかならないかと嘆きの声を上げなら、大空を飛び回っていたが、嘆きの声は空に響くだけで何も起き無い。
長い時間、見失った大切な者を探したが、どうしようも出来ない事を悟ると、
『クゥルルルル……』
寂しそうに鳴き声を上げて、散り散りになっていく。
あれほど、ドラゴン達で騒がしかった空が、自分一人しかいなくなってしまうと静かで『カルカルン』と鳴るエンジン音だけが聞こえ、空と大地の地平線だけが広がる。
「……帰らないと……あれは?」
空にいるのが寂しいと思いながら、機首を下げて、地上に戻ろうとした時、空から落ちて来る物があった。
________
「…………」
目の前にあるのは、先生の墓標。
空から降って来た、先生が脱ぎ捨てた戦闘機の殻。
墓標というと聞こえが悪いかもしれないが、この世界に、生きていた人がいたという証明。
私が、この世界で亡くなった後も残ってくれる物。
この墓標があれば、先生が創り出した繋がりの子が、ここに訪れる事が出来る。
そして…私が繋げた子も、きっとここに……
「先生……」
「?」
先生の墓標の前で、過去の事を思い出し、これからの事を思っていると、
「先生…これは?」
私の事を「先生」と呼ぶ兵士達がいた。




