異世界のアフレクションネクロマンサー302
けたたましい音を掻き鳴らしながら、空を目指すのは、
「先生!?」
あの日、空から来た先生の飛行機。
飛行機の手入れが出来ないから、次に乗る時があるとしたら、それは空を飛ばないといけない状況だろうと言っていたが……
「ゲートを開ける?」
翻訳機に残されている文字にはゲートを開くと、他の世界を裁くと……
「先生が、その為の鍵になる?」
そして、運命を背負いしと書いてあって……
「先生!!ダメです!!」
私は、先生を行かせまいと操縦桿を切っていた。
先生を自分だけの物にしたいから、独占したいからじゃない……このままでは、先生が死んでしまう。
あの黄金のドラゴン達は、自分達の力と先生の運命で、異世界へのゲートを開こうとしている。
先生は確かに素晴らしい方で、あの飛行機だって、
『ドゥゥゥゥゥゥゥ!!!!』
『ギャァ!!』
『グゥェ!?』
ドラゴンを殺す事が出来る力を持っている。
人ならざる力を持ち合わせ、人の英知を持ち合わせている先生ではあるが、
「先生は…先生は……人間なんだ!!」
先生は神の子ではない、人なのだ。
「連れて逝くな!!」
黄金のドラゴン達がしようとしている事は、神の領域。
人である先生の身では、堪え切れ無い。
先生を行かせまいと、飛ぶ進路を邪魔しようとするが、
『ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥドゥルルルルル!!!!』
先生の飛行機は、私を避けながらドラゴンを始末する。
私と、私の飛行機では相手にならない。
『ありがとう、異世界の人よ』
理性的なドラゴンは、自分がこの世界に来るために運命を借りた相手が、今度は、運命を捧げてくれる事に感謝をする。




