異世界のアフレクションネクロマンサー297
黄金のドラゴンが、コクピットの中を青白く照らし出したのとは違う力。
「熱い…!!」
熱い空気がコクピットの中を熱して、布越しに吸う空気が辛い。
空気が淀んでいく。
服が熱い。
熱せられた服が、肌に触るのが不快で堪らないが、服の隙間から覗く肌は、不快等という話で済まない。
間違って熱せられた鉄板を触ったかのような痛みが、焼けていく痛みが肌を襲う。
「離れないと……!!」
人智を越えた異常事態に見舞われているが、何故こんな事が起きているのかは察しは付く。
もしこれが、私を殺す為の為だというのなら、あまりにも過剰な攻撃。
もしこれが、村を焼くためだというのなら、なぜ最初からそうしないという話。
そこから推察すれば、この異常事態を引き起こしている何かが異常では無く、妥当な行いになるのは
「黄金のドラゴン!!」
空を舞う黄金のドラゴンを狙った時。
この小さな飛行機が、この小さな身が焼かれないように、黄金のドラゴンから距離を離していくと、
『ゴボボボボボボボボボボ!!!!!!』
天空から炎の濁流が降って来る。
赤い炎と黒い炎が幾重にも混ざり合い、闇のように真っ黒な黒い炎の中で、真っ赤な炎が息をしながら天空から注がれ、
『黄金のドラゴンが!?』
黄金のドラゴンを包んだ。
見た事の無い黒炎は、離れた所に逃げた私すらも、逃さずに蒸し殺そうとする程に残酷なのに、あんな物に包まれては……爆散してしまう。
黄金のドラゴンを包んだ黒炎から、こぼれた炎がドロドロと溶ろけながら大地へと落ちると、
『バチバチバチバチバチ!!!!!!』
大地から爆ぜる音が鳴り響いたかと思った時には、大地にあった木々が無くなり、大地が真っ赤に染め上がる。




