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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー292

「謀られた!?」


黄金のドラゴンに気を取られているうちに、天空から他のドラゴンが村へと降下していく。


放たれた矢のように、一直線へと向かって行くドラゴン。


ドラゴンに村の中に入られてしまっては、あの日の時のように、村が蹂躙されてしまう。


「くっ!!」


ペダルを踏み込み、操縦桿を押し込むと、ドラゴンを追って一気に村の方へと降下する。


この飛行機では決して、ドラゴンを倒す事は出来無いが、それでも間に入ればドラゴンは驚いて進行方向を変えるかもしれない。


もちろん、それをするという事は、ドラゴンに接敵する危険性と、地面に激突する危険性を孕む事になるが、


(先生……!!)


村には先生がいる。


自分の身を危険に晒してでも守りたい人。


ドラゴンが村で降り立って暴れる前に、こちらは槍となってドラゴンを追うが、


『コォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!』


背後から聞こえる不穏な音に、操縦桿を横の方へと切っていた。


何かが渦巻く音が後ろから聞こえて、コクピットの中が白く照らし出されて、コクピットの中が異変で満たされる。


「離れろぉぉぉぉぉぉぉォぉ!!!!!!」


ガタガタと震える操縦桿を横に切り、胸元の方へと引っ張って回避行動を取りながら、村の方へと降下していたドラゴンも、慌てて上昇して行くのを目の端に捉える。


命懸けで先生を守ろうとしていたのに、後ろから感じた不穏な空気程度では決意は揺らがなかったが、村へと目指していたドラゴンが不穏な空気を感じて、先に逃げ出したのを見て、方向転換をした。


もしも、黄金のドラゴンが、村を襲おうとしているドラゴンの仲間なら、ドラゴンが逃げる理由が無い。


その場合なら、この後ろから感じる圧を感じる空気は、自分を狙っての事で、ドラゴンの援護をする為の行いになる。


しかし実際は、ドラゴンは圧に怯えて逃げ出した。


それが何を意味しているのかは、すぐに理解出来る。


黄金のドラゴンが、先にいるドラゴンを仕留めるのに、邪魔にならないようにその場から離れなければならない。


『コォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!』


私が、その場から離れるのを待ってくれているのか、黄金のドラゴンはまだ力を溜めてくれている。


黄金のドラゴンが待ってくれているうちに、上昇しながら黄金のドラゴンと距離を取り、何が起きているのか確かめようと振り向くと、


「なんだあれは!?」


黄金のドラゴンの周りから小さな雷がほとばしり、黄金の体の体内が青白く発光していた。

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