表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
839/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー287

________


「準備は良いですか!?」


先生との一件を終えてから、朝を迎える。


今はもう、あの鋼鉄の飛行機のコクピットにはいないが、今はもう、この木製の飛行機のコクピットの中にいる。


初の操縦に、操縦桿を握る手が固くなり、腕が足が張って緊張している。


リラックスしなければと思えば思う程、自分が緊張している事を認識してしまって……未知なる体験、みんなからの希望、それらが重圧となって……心臓がバクバクとする……が、心臓はバクバクしながら重圧を跳ね返そうとしている。


『君はやっぱりパイロットになる運命なんだね。パイロット候補生の中には、緊張からの震えが怯えになって乗れなくなってしまう者すらいる。なのに、君はパイロット候補生でも無かったのに、ここにいる』


「先生……」


私は飛行機のコクピットの中にいながら、先生の膝の上に座っている。


文字通り、手取り足取りで、この飛行機の実践訓練をする為であり


『さぁ、飛行機に命を吹き込んで』


この飛行機に、パートナーとなる私を覚えさせる為。


先生は、操縦桿を握る私の手を取って、コクピット横の水圧レバーを握らせると回すように促し、


「……はい」


促された私は、手に意識を持ってくと水圧レバーを回すと、


『カルカルカルカルカルカルカル』


飛行機に命が宿る。


(そうか…だからか……)


あの時、エンジンがここに届いた時、エンジンの試運転を先生がするのではなく、私にさせたのは万が一にでも、パートナーを勘違いさせない為。


『さぁ、みんなに発進すると言って』


先生は裏方に徹しながら、優しく私の足の甲を押してペダルを踏むと、


『カルカルカルカルンカルンカルンカルン』


エンジンの出力が上がる。


出力の上がったエンジンを聞いて、水圧レバーから手を離し、自らの意志で操縦桿を握る。


「……これより、発着場に向かいます!!」


飛行機の操作方法は分かっている、先生と一緒に造ったのだ、頭の中に叩き込んである。


自らの意志で、エンジンの出力を上げると、プロペラの回転数が上がって、飛行機が前に進み出す。


暗い納屋から、朝日が入り込む入口の方へと進みだす飛行機。


納屋の外には、いつも見ている景色が外に広がっているだけ、さっきだって、この納屋に入る時に外の景色を見ているのに、


「これが…飛行機からの景色……」


外に広がっていたのは、いつもと違う景色だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ