異世界のアフレクションネクロマンサー281
だからそこは、頑張れるだけ頑張って、ダメそうなら街で人を雇うか考えていてから、
「たかが、地面をならすだけだ!!一週間よりも早く決着を付けるぞ!!」
「とりあえず、実際の現場を見て頂けますか……」
工房の人達の申し出は渡りに船で、嬉しい申し出なのだが……
地面を転圧する為のタンパー、切り株を抜く為のスコップを各々が手に持ち、滑走路予定地へと向かうと、
「これは……」
見晴らしの良さとは裏腹に、荒れた荒野。
石は散らばり、雑草が生い茂り、これでもかという程に大地に根を張っている切り株の数々。
こんな所では、飛行機所か馬車すら走れない。
文字通りの荒野に、工房の人達は唖然としてしまう。
「何とか、ここまでは来たのですが……」
村のみんなに無茶をさせないのなら、ここまでが限界。
「すみません、この報酬は必ず払いますので……」
実際の現場を見て、工房の人達は目を丸くして驚いたが、
「これを……二人でやるというのは無茶ですよ?」
工房の人達が驚いたのは、現場が思っていた以上の荒野だったことでは無く、先生と助手さんの二人で、ここを平地にしようとしていた事に驚いてしまった。
「お二人には、何か考え事があるのでしょうが、他の者に頼られても良いと思いますよ?ちゃんと事情を話せば、村の方も協力してくれると思いますよ?」
「そう…ですね……」
村のみんなに、お願い出来なかった理由…それは……もっともらしい事を先程述べたが、本当は、村のみんなと先生を関わらせたくないという思いがあったのかもしれない。
独占欲ではない…先生を奪われたくないという思いじゃない……もしもそうなら、工房の人達と先生と引き合わせたりしない……
村のみんなに関わらせたくなくて、工房の人達には一緒にいて良いと思うその違いは……
「まっ…理由はどうあれ、我々が来たからには、不安になる事は一切ありませんよ!!夜通しでやりますよ!!」
工房の人は、私の曇った顔に何かの事情があるのだろうと考えて、深く聞こうとしないで、
「さぁって!!始めるぞ!!」
「おぉ!!」
各々が手に持つ物を掲げ、やる気を見せるのであった。




