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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー277

「賢者という言葉は、まさに先生の為にあると言えますな」


工房の方も、先生が謙虚であり、その知識をひけらかすようなマネをしないのを思慮深い方と称えながら、


「少し気が引けるのですが、先生に少々お願いがありまして」


「お願いですか」


そんな先生に、どうしても頼みたい事があるという。


無茶なお願いをすれば、先生が困った顔をするというのは分かっていても、頼みたいという事は、


「飛行機を完成させるのを、手伝いたいという事ですよね?」


「そうです」


飛行機を完成させるのに、自分達も協力したいという事。


それを察するのは、とても簡単だった。


設計図を始めて見た時は、これが何なのか分からなかった工房の人達であったが、大地を走る小さな模型を見て、エンジンの偉大さを知って驚き、そのエンジンが空を飛ぶ為の力もあると知って信じれらないと目を丸くさせ、素体となる飛行機を作った際には、丸みを帯びたその美しい姿に息を飲む。


角張った石の塊を彫り上げて、丸みのある女性の彫刻を作るように、次第にその美しい姿をあらわにする飛行機に、自分達も触れたいと願うのも無理の無い話。


部品を作るだけ作って、組み上げには触れさせないというのは生殺しで……


「先生から言われています。もし、皆さんが協力してく下さるなら、是非ともお願いしたいと」


彼等の技術者としての熱意と、物作りへの真摯さを思えば、彼等にもまた、この未来の技術を触る権利がある。


「それは本当ですか!?」


「はい」


もしも彼等が、自分から触れたいと、未来を触れたいというのなら、触らせようというのが先生の考え。


「いやぁ良かった!!実は、この後みんなが、手伝いに来るって言ってまして」


「皆さんが?工房はどうされたのですか?」


これから、工房の人達全員が来るというのは、中々の話であったが、それよりも、工房にだって予定はあるはず、それを置いといて良いものかと思ったが、


「大丈夫ですよ。今日の昼までには仕事を全て片付けて、一週間は休工にしても問題無い状態にしましたから」


どうやら工房の人達も、並々ならぬ熱意があるらしい。

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