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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー264

もちろん、彼がそんな残忍な人だとは思っていない。


ドラゴンを始末する力を持ちながら、それでも対話を望むのは、彼が紳士であるという証明であり、力をって、相手を屈服させるのを良しとしない人柄を持ち合わせている。


とても友好的で、とても紳士的な、とても素晴らしい人柄ではあるが、


(もし、文字すらも読めなければ……どうなっていたのだろう)


しかし、彼もまた何らかの理由があって、私に接触を求めているのは事実。


酷い扱いはしないだろうが、それでも力の差を利用して労働力としては扱う可能性は十分にある。


「それで…これはどうやって使うのですか?」


力の差が歴然としているのに、それでも、相手が対等として扱ってくれているうちに、自分達が労働力として「有効」な存在では無く、良きパートナーとしての「友好」的な存在だというのを示さないといけない。


彼の見せる不思議な文字盤を、自分も使いたいとアピールすると、彼は文字盤の下の方にある何かのマークを触ると、


『言葉を喋って下さい』


自分達の言葉を喋るように、文字が浮かび上がる。


「……私は…この村で学者のマネ事をしています。街にいる人のようにしっかりと勉学を積んでいる訳ではありませんが、それでも、お力添え出来る事があればと思います」


促されるままに自分の気持ちを言葉にすると、文字盤が、自分の想いを汲み取って異国の言葉に変える。


すると彼は、文字盤を自分の方に向けて、浮かび上がった文字を読む。


見た事の無い文字、羅列が文字盤に浮かび上がったのは良いが、それが間違い無く彼に伝わる言葉になっているのかとドキドキしながら、彼が読み終わるのを待つと、


『………………』


読み終わった彼は、文字盤に言葉を投げ掛けてから、もう一度文字盤を自分の方に向けると、


『ありがとう。いきなりで君達を驚かせてしまったのに、優しくしてくれて、本当にありがとう』


そこには、彼の優しい想いが書かれていた。

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