異世界のアフレクションネクロマンサー251
手の中に握り締めた愚か者の声など無視して、汚れた手を拭うが、
『ボキボギボキ!!!!!!』
力加減がどうも難しくて、手の中にいた愚か者は簡単に壊れる。
無造作に握られて四肢と頭は、ぐちゃぐちゃに明後日の方向を向き、それは骨はバキバキに折れて、筋肉はズタズタに裂けていることを示している。
ぷらんぷらんと揺れる肉体は、すでに息絶えていて、
『ぶちゃ!!』
用無しになったゴミを大地に叩き付けると、スライムが破裂したかのような音が不様に鳴る。
『……ぐぉあぁぁあぁぁあぁ!!!!』
もう話は終わった、これ以上何かを求める事は無い。
『『『がぁぁああぁぁあ!!!!』』』
1人のドラゴンの雄叫びに呼応して、他の者達が空に上がっていく。
一糸乱れぬ事無く空へと上がり、全員して大地に残ったドラゴンの方に視線を向けると、
『ボォォオオォォ!!!!』
一斉に炎を吐き出す。
愚か者達にではなく、ドラゴンへと炎を吐き出した意味、それは……
「ば、化け物だぁ!!」
「逃げろ!!逃げろぉ!!」
炎獄のドラゴンになること。
ドラゴンの鱗に反応して燃え上がる炎は真っ赤で、そこにいるのはドラゴンではなく、ドラゴンの形をした焔。
焔が意思を持つ、少し体をほぐそうと羽を羽ばたかせるだけで周囲が歪む。
久方ぶりに味わう空気を、胸一杯に吸って吐き出すと赤い光が爆発する。




