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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー245

だが、ドラゴンを始末するには、ドラゴンの死に際を見届ける事が大きな意味を持つ。


危険を犯し、命を晒してでもドラゴン同士の争いの渦中に潜り込む。


空で雷鳴がとどろけば大地にイカズチが走り、空で荒れる風が大地ですさんで嵐を呼び、空で赤い閃光が走れば大地に火の雨が降り注ぐ。


野生動物達は本能で、この戦いが異次元の物であり、側にいてはいけないと感じて逃げ出すが、それでも、ここから逃げ出す事は出来無い。


本能がここにいてはいけないと叫んでいるのを、理性で抑え付ける。


空から聞こえる雄叫びに恐怖して震えても、今まで犠牲になってくれた者達の為に、これからの者達を救う為にと、自らの体を抱きしめて歯を食いしばる。


天変地異の中で長い時間を過ごし、気が遠くなりそうになるのを我慢していた時、空からイカズチでも、風でも、火でも無い物が落ちて来た。


ポタポタと空から雨が降って来る。


小さな雨がポタポタと振り始め、それが何のか調べてみると、


「血が降って来ている」


遠い空から血の雨が降って来る。


それは生命の源、体の中に内包された命の液体。


それが、体の中から吹き出すというのは、


『ぎゃあぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁぁああぁ!!!!!!!!』


怪我を負ったという事。


空で木霊した叫び声は聞いた事も無い音、ガラスとガラスを擦り合わせたような、甲高い悲鳴が大地を覆い、


「これは決着が付いたという事ですね!?」


この悲鳴が争いの敗北者が上げた声だと推測出来ても、恐怖で震えていた体には強く揺さぶる悲鳴の圧は、涙が溢れる程に怖い。


「そうだ、空を見るんだ!!ドラゴンが落ちて来るぞ!!」


自分だって、この聞いた事の無い悲鳴に恐怖して押し潰されて大地に身を伏せたくなるが、


「しっかりと見るんだ!!どのような姿で落ちて来るか見極めるんだ!!」


自分達の為でなく、みんなの為にと勇気を奮い立たせて空を見上げ続けると、


「あそこに見えます!!」


一人の護衛の兵士が、空を指差すと何かが落ちて来るのが見える。

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