異世界のアフレクションネクロマンサー239
遺された記憶の世界が揺らいで、栄華が、生まれ変わった時に思い出せるように遺した記憶の終わりを告げるが、
「ちなみに、リーフさんは元の姿に戻れないのですか?」
リーフが、未だにアフレクションネクロマンサーの辿り着く姿のままなので「それでは帰りましょう」と言えず、
「今すぐに、その姿に体が変化する訳ではありませんが、魂の形が変わると肉体に影響が出るのは間違い無いので……」
自分はもう、アフレクションネクロマンサーとして変化していくのが運命と受け入れているから良いが、リーフには自分みたいな体の変化を起こして貰いたくない。
「元の姿をイメージして下さい。そのイメージを私が形にしますから」
帰る前に、リーフを元の姿に戻そうと両手を握る。
こればかりは、礼人でもどうしようも出来ない、見た目の外見だけならともかく、内面は本人の意識が必要になる。
縮んでしまった背丈、黒く変色した髪、水晶と化した右眼……そんなのは、リーフには……
「アフレクションネクロマンサー様…多分ですが、元の姿には戻れません……私は、この姿になりたいと望んでいます」
そんな姿にならないで欲しいと想っている礼人と裏腹に、リーフはアフレクションネクロマンサーの姿になりたいと願う。
「その姿は、自分を失ってでも戦う姿です。それは戦う為の兵器。アフレクションネクロマンサーではありません」
礼人の鏡映しのような姿に、アフレクションネクロマンサーの影を重ねるリーフ。
それに対して礼人は、自分の変化した姿はアフレクションネクロマンサーでは無いと戒めて、元の姿を想像するように促すが、
「御願いです。このままの姿にさせて下さい」
リーフは首を横に振って、礼人の言葉を振り払う。
「リーフさん……」
自分達の世界と、生死感も置かれている環境も違うから、英雄の力を求めるのは分かるが、礼人としてはその姿はあくまでも最後の手段であり、自分が生きている現状ではなって欲しくないが、
「これもまた、運命じゃないのでしょうか」
リーフは、礼人と瓜二つの姿に固執する。




