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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中79

マナを取り扱うスペシャリスト。


山奥の自然が溢れる所はエルフにとってはまさに水を得た魚、大地から草木からマナを吸収して力に変えるなど造作も無い。


単純な単体としての力ならば間違い無く礼人の方が格上だが、相手はエルフの集合体であり、同じマナを使った勝負では、付け焼き刃の礼人では太刀打ち出来るなど有り得ない話。


だから、礼人は隙を突いて決着を付けないといけなかった。


礼人は巨木の腕から放たれる禍々しい闇を何とか光の珠の力で防ぎながら、マナを大地から吸収するが、それでも巨木の腕のマナの吸収力には勝てない。


(ここでぶつけないと……)


このままでは折角作り上げた光の珠は、この禍々しい闇を防ぐだけで消えてしまう。


どうする?どうしたら?どうすれば?


答えの出ない悩みだとしても何らかの答えを出さなければ、


(光が…!!)


光の珠がほんの少し揺らいだかと思うと、神々しく放たれている光臨が弱まる。


判断を付けなければならない……死を覚悟して無理にでも押し込むか…みんなを犠牲にして一度引くか……


礼人は一度だけ巨木の腕から視線を離して、


「…………覚悟しろ!!」


足に力を込めると背中の羽を振るわせ、光の珠と共に特攻をする覚悟を……


(いけません!!アフレクションネクロマンサー様!!)


覚悟を決めて突撃しようとした瞬間、また声が聞こえたかと思うと巨木の腕の下にある巨人の中から複数の腕が生えて、巨木の腕に絡み付く。


(ケガラワシイオークガフレルナ!!)


(黙れ!!その汚らわしい我々に頼って生きているのがお前達だろうに!!)


(フザケルナ!!ドウグヲツカウノハアタリマエノハナシダ!!)


巨人の中から現れた腕達は、巨木の腕に絡み付きながら伸びて指を掴むと、


(オマエタチモイマスグニケシサッテ……!!)


(それはどうかな!?エルフ様!!)


(グゴッ!?ナンダソノチカラハ!?)


エルフの指をへし折るかのように地面の方へと引っ張り出す。


そもそも巨木の腕は冬虫夏草のキノコように巨人の中から現れている。


このエルフは鋼鉄の巨人に寄生し、アフレクションネクロマンサーを見付けたのならば体を乗っ取ってアフレクションネクロマンサーを殺す予定だったのだろうが、


(私達に寄生したのは失敗だったな!!お前達のマナの恩恵は我々も受けているんだ!!)


同じ体を共有をしているのだ、彼らエルフがマナを吸い込んだ力はオーク達にも共有されていたのだ。

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