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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー235

『ジュジュ』と焼けるような音を鳴らしながら、互いの獲物がぶつかり合い、


「中々の腕前。マナに頼ったエルフや筋肉に頼ったオークと違って、鍛錬を積んだ技術の集大成は惚れ惚れとします」


命を掛けた戦いだというのに、人影は笑みを浮かべて嬉々としている。


「ちなみに、私は二刀流も出来るのですが、お付き合い願えますか?」


『ヒュッ!!』


右手の日傘で、輝く刀を受け止めて地面の方に流し、左手で掴んだ日傘を素早く振ると、光の人の頬が裂けた。


人影が放った一閃が先に光の人を傷付けたが、光の人はその頬をかすった一閃など気に留めず、


「おっと、あなたに触られたら、それだけでも危険です」


それ所か、肩からタックルするように体をぶつけに行く。


「次元が違い過ぎる」


礼人は目の前で行われる剣戟に追い付けない。


一閃を当てられて、光の人の方が押されたかのように見えたが、頬を切り裂かれた光の人も凄まじい動きをしていた。


人影は、光の人の刀をあしらってバランスを崩した所で、突如の二刀流で頭を裂く一閃を放ったのだが、光の人は崩されたバランスに逆らわずに、流れに沿うように足をスライドして足の力が抜けるのを防ぎ、突然の二刀流からの一閃に上半身だけ仰け反って頬だけを切らせて、一閃をかわしした所で上半身を腰から回して態勢を整えると下半身ごとぶつかっていく。


互いに譲らない剣戟。


人影はこれだけの動きをしなければ、避けられない一撃を放ち、光の人はこれだけの動きしなければならないのをやってみせてから、反撃に転じている。


物に頼った現代の霊能者と、己の技術で戦い抜いた霊能者の違い。


あのアニーですら、歴戦の二月の刀を使った稽古では頭が上がらず、


「二月さんを倒すなら、正面からやり合わない方が良いですよ。それこそ初見殺しとか、隙を突かなければ、二月さんなら大体の事は何とかしてしまうでしょう」


真正面からやりあう稽古は分が悪いと笑っていた。

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