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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー232

「アフレクションネクロマンサー様……」


「栄華様は手詰まりです」


傍から見ていても、栄華の方が不利なのは分かってしまう。


「もしもアフレクションネクロマンサー様が相手をしたら……」


「正直、今の私でも厳しいです……何なら、私達二人掛でも勝てるかどうか」


人影の雰囲気は底を知る事が出来ない。


人影が「一」瞬「一」歩手前と表現してくれるから、肉薄しているような感覚になるが、実際はそんな事は無い。


人影は、自分と子供と話をしたいが為に戯れている。


子供の瞬間の力だって、地面から黒いモノを噴出させて防いでしまえば、体を消滅させられる事なんてない。


「……なるほど、あなたの体の中は興味深い」


「なっ!?」


離れた所にいる人影と、同じ声を持つ人影が自分の真後ろに立っている。


影には実質的な形は無い。


人影の精神力、妖力が持つ限り、大地に潜む黒いモノは自分の一部分。


先程の、体の一部を切り捨てて、ギリギリまで追い込まれているかのようにしていたのは演出で、地面の中に精神を潜ませて、体だけを地上に出す事だって出来たし、地中を通して分裂だって容易く出来る。


「このっ!!」


子供は、真後ろに立つ自分を消滅させようと力を高めるが、


「遅いですよ」


「がぁっ!?」


「その力を扱いきれないみたいですね。もしも刺し違える気なら、決して自分の身を守る為に力を流用してはいけません」


地面から伸びた黒いモノに体が巻き付かれると、体の防衛本能なのか、高めた力を自分の身を守る為に使ってしまう。


「それはそれで決して悪い事では無いのですがね。危機を感じて、瞬時に身を守れるというのは良い勘をしているという事でもあるのですが」


身体に巻き付く妖力が危険で、身を守ろうと防衛本能が働いたのは、鋭い勘を持っている証拠なのだが、


「がぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!!」


「力の価値と恐ろしさを理解していないから、自分の中で暴れて傷付けてしまう」


子供は、自分の中で暴れ回る力に叫び声を上げる。

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