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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー231

「私とあなたの力、似て非なる物だというのは……」


『ジュッ!!』


問答無用で放たれる瞬間の消滅。


人影にその瞬間に抗う手立ては無く、いともたやすく体が消滅するのだが、


「胸の高鳴りで分かりますよ。あなたの力こそが本物で、私のは真似ただけのものだと」


子供が自分を消滅させようと力が高まり始めた時には、指パッチンの準備をし、力が爆発する一歩手前で親指だけを弾けば、


「とは言え、今のあなたは偽物の私に劣る。「一」瞬の間を追い切れず「一」歩手前を読まれるのもまた事実」


子供は追撃する事が出来ずに、再生を許してしまう。


「くぅ……」


子供は、人影が言っている事を理解して苦虫を嚙み潰す。


偽物のアフレクションネクロマンサーと言えど、噓八百を並べてアフレクションネクロマンサーのフリをしている、比べるのもおこがましい者達とは違う。


アフレクションネクロマンサーと比べて、初めて偽物と判断出来る偽物のアフレクションネクロマンサー。


偽物のアフレクションネクロマンサーと言えど、その実力は並大抵ではない。


「そう、複数回で分けて攻撃するという一つ一つの手間を掛けては一瞬が「二」瞬になり、今でも最速で一歩手前まで詰めているのに、手間を掛ければ近付けない」


人影は一瞬あれば再生出来る。


その一瞬を与えずに瞬間で始末しなければならないのだが、子供の現状において、瞬間で人影を仕留めるには時間を掛けて力を高めて、素直にぶつけるしかない。


「私とあなたでは紙一重の力の差がありますが、それと同時にアナタと私とでは埋められない実力の差があるのです」


力だけで言えば本物と偽物の差には、紙一重の違いがある。


本当なら、この紙一重の差に偽物は泣いて、苦しんで嗚咽するのだが、人影の実力はその紙一重の差をビリビリに破り捨てて、


「くそっ…」


子供の方を泣かせて、苦しませる。

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