異世界のアフレクションネクロマンサー222
一体誰が、立ち入り禁止区域に入り込んでいるのか?それに外国の言語?
同盟国の人間なら、日本に入国する事は問題無く出来るが、
『折角、英雄に会えたと思ってワクワクしたのですが……とんだ肩透かしですね』
特別な許可が無い限りでは、ここには自国民すら入れない。
溜息交じりに、何かを喋っている方に振り返ると、
「な…何なんだ!!お前は!?」
影でいる事で何とか、ユラユラと形を形成している森羅万象の影とは違い、しっかりとした立ち姿で、考える人のように腕を組んで、自分達の方を間違い無く見ている。
「こいつは…生霊か?」
霊能者達を品定めをする人影、明らかに今まで遭遇して来た影とは違う。
人影は、自分達と同じように思考し、同じように振舞い……
『…あぁ失礼致しました。私はあなた達の世界の魂と融合しているから言葉が分かりますが…………これでいかがでしょうか?」
ニヤリと笑って感情をみせた時、
「なっ…何なんだこれ?」
礼人の背中にも、一陣の悪寒がゾッと吹く。
先程までは、遺された記憶を見ていたから、どこか遠く薄く見ていたものが、
「私の世界の言葉で話し掛けてしまった失礼を詫びる上で、もう一度、あなた達の世界の言葉で問いましょう。この世界のアフレクションネクロマンサーはこの程度なのですか?それとも、あなた達はアフレクションネクロマンサーではないのでしょうか?」
まるで自分のすぐ側で、自分もこの時の当事者のように引き摺り込まれていく。
「アフレクションネクロマンサー……?何だそれは?」
霊能者達は、たった一人で荒野に立つ人影に臨戦態勢をとりながらも、栄華をおぶっている霊能者はヒッソリと後ろに下がって距離を取ろうとしたが、
「…その子供がアフレクションネクロマンサーですか?」
人影は、何十人といる中での、たった一人の少し違った動作に機敏に反応する。
「違う!!この子は非戦闘員だ!!」
静かに、バレないように下がっていた霊能者は、自分の方に意識を向けら事で反射的に、栄華を守るように大きな声を上げると、
「そうですか…そうですよね。もしもアフレクションネクロマンサーなら、あの程度の窮地どうとでもしますもんね」
人影も、栄華が非戦闘員だという事に、なんら反論する事無く同意してくれる。




