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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中77

黒い霧を祓ったから、みんなは再び動き出すことが出来たのだろうが、


(ジャマダ!!)


黒い霧を祓った所で、みんなの霊力が元に戻った訳では無く、巨木のように太い腕が蚊を払うように大きく動くと、


「ぐぅわ!!」


「ぎゃっ……!!」


みんなの呻き声が聞こえる。


風前の灯火の火は所詮しょせんは小さな火。


いくら黒い霧という風前が消えたと言っても、


「ぐぅっ……」


(カトウナイキモノガワレワレエルフニタテツクナ!!!!)


巨木のように太い腕から放たれる力は、彼らの小さな火など簡単に消し去ってしまう。


巨木の腕は、手の平を空に向けて力を溜める。


先程は礼人を確実に殺すために、手の平を礼人に向けていたが、周りの者をまとめて殺そうとして力を周囲に解き放とうとしているのだろうが、


(礼人!!)


「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」


それは誤った判断であった。


礼人を焼き尽くそうとしていた熱風は苦しかった。


アニーが手助けしてくれているという事が、礼人の心をこの世にギリギリまで繋ぎ止めてくれたが、手助けしてくれているという精神的な支えではどうにもならなかった事がある……それは熱風によるマナの吸い込みの妨げ。


もし、あのまま巨木の腕が礼人をローストチキンのように炙り続ければ、そのまま礼人は息絶えていたのに、巨木の腕は他の霊能者達に気を取られてしまった。


裁縫の糸のように細く、今にも千切れてしまいそうだった意識が覚醒する。


足から大地のマナを吸い込むと体が一気に燃える。


信じれられないほどの力が自分の中で拠り所を求めて駆け巡って心臓に辿り着く!!


心臓に辿り着いたマナが血流に流れて体中に巡ると、礼人の霊力と結び付いて灼熱と化す!!


アニーがマナを司る器官を作ってくれた時に、少しばかり貰ったマナですら凄まじかったのに、大地から吸ったマナが礼人に結び付いた瞬間、羽が生い茂る。


夏の日を浴びて生い茂る葉のように羽が無数に生い茂る。


礼人は両の手を胸の前で空間を作るように固定させると、最初に作り出した光の機雷を作り出す。

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