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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー206

ほんの少しの言い争いでも、滅びの道へと転げ落ちる状況。


彼等が取った休戦の内容は「互いに出した被害は互いに要求せず、相手に文句を言う事無く、残された余力で自国を切り盛りする」という互いに関与しないという取り決めであった。


世界中で人が大量に死に、多くのもの達が苦しみの中にいるのに、こんな事なかれ主義のような事で許されるのかと思うかもしれないが、これ以上の事を要求すれば、歯止めが効かなくなる。


国同士ではその事が分かっているからこそ、渋々と了承する事も出来たが、大抵の国の国民達は

怒り狂った。


戦争特需、賠償金、領土を奪う事で戦争の傷を癒すはずだったのに、結果は痛み分け所か、大切なものをイタズラに無くす結果になってしまった。


失った物を癒すものを何も得られず、国に奪われるだけ奪われた市民達の怒りは暴動となり自国で内紛を起こす国も多々あったが、その行いは痛みを伴っている国にとって致命傷となり、自らの手で首を絞めて息絶える結果となった。


まさに混沌を極めた時代であったが、そんな状況下でも人類が生き残れたのは皮肉にも核のお陰で、多くの人が亡くなった結果、口減らしが行われ、再興するのに必要な物等は最小限に抑える事が出来た。


辛うじて理性を残した国は、先の取り決めはあくまでも「戦争をしない」という取り決めであり、協力して生き残る道を否定するものでは無いと判断し、大国は少なくなった人手を小国に求め、小国は物資を求めて大国へと一つになっていった。


こうして世界情勢が動き始めていた時、核爆弾を一つだけを落とされた日本は比較的に安定していた為、同盟国に対する人道的支援を行っていたのだが、


『うぉあぁあぁぁあぁ……』


日本は日本で、闇を抱えていた。


「うっ……」


荒れ果てた焼け野原、そこには人の住む場所も無ければ、草木一つすらない場所なのに、呻き声が熱い風に乗って聞こえて来る。

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