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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー205

専守防衛をしていた日本が、敵国を攻める事は出来なかったが、狐火を積んだ八咫烏は同盟国に渡ると、核を使われた同盟国は仕返しと言わんばかりに八咫烏を解き放つ。


超高速で放たれる狐火。


普通の爆弾なら、超高速で投下して目標物に、目標地点に落とすのは至難の業だが、周囲を無差別に焦土化する狐火には無関係の話。


狙いを付けて精密に落とさなくても、大体で落とせば周囲が消える。


三機程で編成して、波状に飛んで狐火を投下すれば一瞬『ポッ』と燃えたかと思えば、そこが消しゴムで擦り消したかのように消える。


狐に化かされたかのように、そこに街があったのが幻だったようにあった物が消されていく。


多くの小さな街が生きていた証を消され、世界から抹消された事に激怒した敵国は、一つの核爆弾ラグナログを造り出す。


終末の名を与えられた核爆弾、それは単純に巨大な核爆弾であったが、その核爆弾があれば日本は北海道から沖縄まで簡単に焼き払う。


その威力はオーストラリア全土を巻き込む程で、ラグナログを40発造れば、世界を消滅させられるという所まで来ていたが、


「最終的に世界は互いに核を手に入れた事で、一方的な力を無くし、そこで産まれた選択肢は互いに滅びるまで戦うか、ここで手打ちにするかでした」


最後の話し合いのテーブル、互いに核問いカードを手にした事で、1か0かを選ぶ話し合い。


戦争という相手から略奪する事で利益を得る行為を諦めて、疲弊した状態で戦争を止めて、独自の力で再興していくか、ここまで来たら滅びるまで戦うかという選択肢。


それは一つ一つの国の判断では無い、地球上にいる人類の判断。


人が愚かな生き物として、地球上から生きていた証を消すか、最後の最後には知性ある生物として生き残る道を選べるかの瀬戸際で、


「もったいぶる必要は無いですようね。最後には互いに核を保有したまま、休戦するという判断で落ち着きました」


人類が選んだのは瀬戸際で生き残る事であった。

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