異世界のアフレクションネクロマンサー204
八咫烏に突撃されたB20Nの行方はどうなったか詳細は不明だが、一番最初のコクピット部分を潰されただけのB20Nは原型を留めて海に墜落した。
海にぶつかった衝撃で核爆弾が爆発すれば日本に回収されることも無かったが、万が一にもB20Nの中で誤爆しないように、信管を抜いていたのが裏目に出て、しかも、運が悪い事に浅瀬に沈んでしまった。
人の手が決して届かない、光ですら辿り着けない深海に潜り込んでしまえば、この話はここで終わったかもしれないが、現実は、日本に核の卵を拾われてしまったのだ。
回収された核の卵は、日本の核開発部門に送られて解析されると、日本産の核爆弾「狐火」が造り出された。
この「狐火」の名前にした理由は、日本だけで独自に核を開発する事が出来れば、火の神にまつわる名前を与えられたはずだったが、敵国の核爆弾から解析したという事で、火の神の名前を付けるのは相応しくないと判断されたのもあるが、核爆弾を解析したまでは良いが、完全に解析出来た訳では無い。
狐火は、敵国の技術と自国の技術を混ぜ込んで造り上げたハイブリットと言えば聞こえは良いが、その正体は単なる劣化コピー品。
敵国の核爆弾と比べて、狐日は大きさも、威力も比べられるようなものでは無かったが、
「日本は敵国から回収した核爆弾をコピーして、コピーした核爆弾を八咫烏に積んだんです」
それでも終戦に向かわせるだけの力があった。
それはまさに神のイタズラ。
劣化コピー品しか造れなかったために、小型な核爆弾しか造れなかったが、それが運命を変える。
もしも、完全なる核爆弾のコピーを造っていれば、日本も同じように大型爆撃機を造り、その大きさ故に敵に落とされたりもして中々思うように、敵国に侵入出来なかったかもしれないが、
「八咫烏は超高速で、誰の手にも触れられずに敵の国に入り込み。誰にも邪魔をされずに小型核爆弾を落としました」
この小型という制限が、八咫烏のギリギリの積載量と合わさったのだ。




