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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
750/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー199

「八咫烏?」


八咫烏は神話の中で、天皇を熊野国から大和国へと案内した事から導きの神として扱われ、その逸話から、勝利を導くという考え方をしてサッカーのユニフォーム等でシンボルマークとして扱われる事がある。


「八咫烏は人を乗せて空を滑走し、B20Nがいる空の果てまで連れて行きました」


日本初のジェット戦闘機の戦い。


「初めての八咫烏の戦いは熾烈だったと言われています。当時の技術ではマッハの世界で撃てる機銃は存在せず、ミサイルもありませんでした……あったのは鋼鉄の槍」


超高速で飛ぶという技術を確立したものの、それは「超高速で飛ぶ」という一点だけであり、それ以外の物は一切準備されていなかった。


そもそも、八咫烏はあくまでも導く存在。


八咫烏はジェット戦闘機の試作品として、現状のレシプロ機からジェット戦闘機への橋渡しをするという願いを込められていた。


飛ぶ事だけを願われた八咫烏には兵器は搭載されておらず、マッハの世界では外付けの兵器は飛ぶのに危険を及ぼす事は分かっていたので、胴体部に一本の槍、投下爆弾の模造品を搭載する事だけで精一杯であった。


「八咫烏は、一機のB20Nを見付けると神速の世界に入り、B20Nよりも高く飛んでひるがえると、コクピットに鋼鉄の槍を撃ち込んで一撃で破壊しました」


「もう一つは?」


そう、八咫烏に搭載出来たのは投下爆弾の模造品である槍一本だけ、だけど、八咫烏はもう一機のB20Nを撃墜しており……


「もう一機は…八咫烏ごとB20Nに突撃したんです」


それしか方法は無かった。


八咫烏は、遠くを飛んでいたB20Nを見逃さない、普通なら、同じレシプロ機なら決して間に合わない距離を飛んでいたが、


「八咫烏は、自分自身を一陣の風と化した瞬間には、B20Nを空で爆散させました」


B20Nには防衛用の機銃が搭載されていたが、一瞬で詰めて来た八咫烏に対して、反撃等出来る訳も無く、一瞬で墜落した。

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