夢の中75
(ニクタラシイ……オマエハオマエノセカイデエイユウヲキドッテイレバイイモノヲ……)
聞き覚えの無い声…先程とは違う声……どこから聞こえる?
(クタバレ……)
明らかに敵意を剥き出した言葉が投げ掛けられるが、
(礼人……)
自分の中でアニーの声が聞こえて、
(もう私が必要になるとはね……)
体が勝手に力を高めて、自分の前に薄い力の膜を作り出す。
「アニーさん!!」
自分の中で聞こえるアニーに、自分の置かれている状況を忘れて応えると、
(内緒で、しばらくはあなたの中で機会を伺おうとしたのですが……そうもいかない事情が出来てしまいましたね)
自分の中で潜んでいようとしたアニーが、その考えを改めてまで出てきた理由は、
(身構えなさい!!)
「…………!!」
アニーの声が身体の中で稲妻が走ったかのようなショックが走ると、薄い力の膜が一際強く光と、
(アフレクションネクロマンサァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!)
巨人の中から巨木のような太い一つの腕が生える。
(どこから!?)
背が大きいだけの細々とした巨人には似つかわしくない巨木のような腕。
このヒョロヒョロな体からどうやって?
何が起きているかは分からないが、
(この力とアニーさんが手助けしてくれれば……)
じいちゃんのお陰で高まった霊力とアニーによってマナを扱うことが出来るようになったこの体……新たな力とアニーの魂が手伝ってくれるなら、自分はそれに従って……
(思い違いをしない!!もっと力を高めなさい!!)
それに従えば良いと思ったが、自分の甘えた考えを見透かしたアニーに怒鳴られて、ビクッと震えて反射的に力が更に高まると、合わせたかのように巨木のような腕の手の平が禍々しく光る。




