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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー196

古い時代の景色。


写真で見た事のある風景。


礼人は一歩二歩と歩いて周りの景色を眺め、


「アフレクションネクロマンサー様」


リーフは、見知らぬ土地ではぐれないように礼人の側から離れないようにする。


目に入って来る情報全てが真新しくて、目移りしてしまう。


火事になった時に使う、岩を箱状にした消火水槽。


「丸谷問屋」と書かれた大きな看板を掲げている商店。


色んな物がある中を寄り添いながら、リーフにとっては街で、礼人にとっては町であるこの場所を散策していたが、


「あれは」


「あれ?」


礼人は一つの掲示板を見付けると、そこに足を向け、


「これは…何と書かれているんですか?」


大きな掲示板の前に行くと、いくつかの張り紙がされていた。


見た事の無い文字。


色んな人が見れる所に張ってあるのだから、みんなに周知したい事が書かれているのは分かるが読むことが出来ない。


「そうですね。この紙には物々交換のお願い、こっちには結婚しましたというお知らせ、こっちは……」


異界の文字を読めないのは当たり前の話。


礼人はリーフに掲示板に何が書かれているのか、観光気分で説明していたが、


「こちらの絵が描かれている紙が、どうかしたのですか?」


一枚の写真が載っている新聞に目が止まった。


「少し読んでも良いですか」


新聞を読みながら、リーフに解説をする事も出来たが、


(これは…B20か?)


写真の中にいる大型爆撃機は歴史の本で読んだ、色んな国に核兵器を落とし、世界で一番有名になった戦闘機。


礼人は写真の中から目を逸らし、新聞に書かれている事を読んでいく。


(我が同盟国に、汚らわしい爆弾を落としていく怪鳥。しかし、我が国の精鋭たる勇敢な兵士は、怪鳥が本土を飛ぶ事を許さず、汚らわしい怪鳥に相応しい死を与える)


そこに書かれているのは、歴史の教科書では見る事の出来無い生きた情報。


日本は海に囲まれているのを利用し、大型戦艦よりも航空空母、潜水艦を量産する事で鉄壁の国を誇っていた。


そのお陰で新聞に書かれているように、B20は日本から離れた国から出撃するが、海を支配している日本に空路は潰され、長い空路を飛んでいる道中で落とされていた。

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