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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
74/1400

夢の中74

別の問題が起きている?


憎しみと怒りで満ちていた頭が一気に冷めて、狂った巨人から目を離さず、何が起きても良いように手の平に力を込めるが、


(…………まさか自爆?)


自爆という単語がよぎった瞬間、礼人の足が後ろに下がった。


礼人の力、霊力のエネルギーが驚異的なのは間違い無いのだが、それはエネルギーの話であって、この目と鼻の先で自爆されてはじけた鎧の破片を防ぐのとでは話が違う。


物体に掛かったエネルギーを阻害する事も出来るし、物体そのものを弾く、もしくはエネルギーで蒸発させる事も出来るが、それにはエネルギーが阻害するだけの時間、物体そのものの大きさも関与することになる。


ただ本当に狂ってしまったのか、反撃しようとしているのか分からないが、


(くそっ!!)


礼人は引いた足を軸にして後ろに跳ぶ、それは手榴弾を投げられた兵士のように。


手の平に込めた力を巨人にぶつけたとしても、その力が自爆する際の手助けのエネルギーになる可能性がある。


それに礼人の力の発現場所は背中の羽、伏せることで弾け飛ぶ鎧の破片を回避し、最も力が噴出する背中の羽なら破片を溶かすことは出来なくても軌道を逸らすことは出来るだろう。


それを分かっててやったのか、それとも偶然の偶々なのかは分からないが、嫌な予感がして第七勘に従う。


もちろん、ただ巨人が狂ってしまった可能性もあったが、それよりも自分の中で駆け巡る悪寒の方が強く、きっと大丈夫であろうという発想には至れなくて、雪の上に倒れ込むと手を首と頭の間で組む。


何かが起きる……その予感は、


(アフレクションネクロマンサー……)


地の底から響くかのような声が、その予感を肯定した。


一体どこから?


頭は、その声の持ち主がどこにいるのか理解出来なかったが、


(オマエハコノセカイニイレバイイ……)


体は勝手に後ろの巨人の方に振り返る。

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