異世界のアフレクションネクロマンサー187
深く深く頭を下げるアフレクションネクロマンサー。
麗騎兵を従者と言っていたが、この光景を見る限りではアフレクションネクロマンサーと同等か、それ以上に麗騎兵を敬っている。
自分も、力を貸してくれた魂には敬意を示してはいたが……
「聞いてみてはいかがですか?」
「リーフさん!?」
麗騎兵の中に入り込んで来たリーフに、礼人は驚いて声を上げる。
魂との結合、礼人が苦労した行いをリーフは易々と……
「いえ、霊騎兵に触れたのではなく、アフレクションネクロマンサー様に触れたら、ここまで来れました」
「そ…そうですか……」
なるほど…っと言いたい所だが、霊能者である礼人の意識の中に入り込むというのは、中々出来る物では無い。
悪霊等に、寝ている隙に憑りつかれないように無意識化でも精神の深い部分にはプロテクトを張ってあるのだが、リーフは礼人の意識の中に平然といる。
何なら、麗騎兵と意識をシンクロさせる方が簡単まである。
「アフレクションネクロマンサー様、麗騎兵の声に耳を傾けて下さい。会話とまではいきませんが、何かを伝えてくれています」
「は…はい……」
リーフは、自分がしている事がどれだけ凄い事なのか分かっていないから平然としているが、下手をするば礼人よりも魂との融和が凄いのかもしれないが、今はその事に付いて調べている暇は無い。
礼人は気を取り直して、麗騎兵の中にいる魂に耳を傾けると、
(栄華…栄華なのかい……?)
麗騎兵は、自分に対して栄華なのかと聞いて来る。
栄華という名前、それは目の前で座り込んでいるアフレクションネクロマンサーの名前であるのは流れから分かる事であり、自分の名前が礼人である礼人には、関係の無い名前のはずだったが、
「栄華!?栄華様なのですか!?」
過去の人物であり、接点の無いアフレクションネクロマンサーの名前を聞いて、礼人は驚きを隠せないでいる。
「栄華様?アフレクションネクロマンサー様、栄華様というのは?」
「私の世界の英雄です!!」
「アフレクションネクロマンサー様の英雄?」
アフレクションネクロマンサー様の驚きよう、それはまるで自分が初めてアフレクションネクロマンサー様とあった時のような驚き方であり、その栄華様というのがどんな人物か分からないリーフにはピンと来なかった。




