異世界のアフレクションネクロマンサー182
今後の事を考えればアイエンズとの協力は不可欠であり、鉄騎兵に対抗する武具を量産する事が出来るようになれば、心配の種が一つは消えるのだが、
「残念ながら、私達だけでは解明する事は出来ませんでした」
「そうですか……気になさらないで下さい。私が施したのはかなり特殊な事です。普通の方はもちろん、余程特別な人物でも無いと難しい話です」
魂達に、武具に宿って貰う行為はやはり特殊過ぎて、アイエンズ達では手を焼く代物だったらしいが、それは仕方無い事。
そこは礼人の専門分野、後で自分が調査するのが良い。
「アイエンズさん。お話を変えてしまうようで申し訳無いのですが、一つ頼み事が……」
「頼み事?かしこまりました……と言いたい所なのですが、出来れば先に一つ見て頂きたい物が……」
「先に見て貰いたい物?それは後でも……」
アイエンズの熱い気持ちは十分に伝わった……そろそろリーフの為のアクセサリーを作りたいと思ったのだが、どうやらアイエンズの本題はまだ続いているらしい。
戦場に出る日が近いとはいえ、アイエンズの話を聞いてからでも、アクセサリー1つ作る位の時間は十分に取る事は出来るだろうが、先に約束した事を果たしたい。
あまり後回しにされてはリーフも気分を害するだろうと、アイエンズの話を一度置こうとしたが、
「アイエンズさん。それは大切な話なのですよね?」
「私の話を優先して頂ければ、アフレクションネクロマンサー様のお願い事は、作業を止めさせても最優先致します」
「アフレクションネクロマンサー様。私の事より、アイエンズさんのお話を聞いてあげて下さい」
リーフは、自分の事よりアイエンズの方を優先して欲しいという。
「良いんですか?」
「はい」
礼人の確認に、リーフは頷いて答えると、
「お願い事は姫様に関することなのですか?でしたら……」
アフレクションネクロマンサー様のお願い事が姫様に関する事だと知って、自分の願いを後回しにしようとしたが、
「私も、アイエンズさんの頼み事が気になりますし……それもアフレクションネクロマンサー様に関する事では?」
「はっはい……良くお分かりに」
「話の流れからです」
リーフは、アイエンズの話そうとしている事の方が気になった。




