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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中73

礼人の放った光は、周囲の黒い霧を完全に消し去り、穢れた闇は消え去って安息を与える静かな闇が戻り、静寂な闇の中で自分に祈り続ける巨人を忌々しく睨み付ける。


礼人が解き放った光は、巨人を消し去るのに十分な力を有していた……


じいちゃんが死ぬ原因になったコイツを許す事など本来なら出来ないが、アニーの最期の言葉が頭の中でチラついて自ら巨人を手に掛けるようなマネをする事も出来なかった。



出来なかった故に、巨人を消す程の力を周囲に解き放つことによって、巨人が助けを請うのを止めて命欲しさに逃げ出せば、そのまま光に焼き殺され、逆に死を覚悟してその場で祈りを続けるならば生き残れるようにした。


そしてその結果は、


(……アフレクションネクロマンサー様)


「………………」


巨人は世界から消えることになっとしても、礼人に祈り続ける事を選んでいた。


内心では、巨人が逃げ出して消えて無くなってくれさえすれば、じいちゃんの仇も取れて、逃げ出して勝手に消えたとなれば、直接手に掛けた訳では無いのでアニーさんに対しても言い訳が立つと思ったのに、


(聞いて下さるのですね?)


「…………」


アニーさんが最期の言葉を遺さなければ、問答無用で巨人を消し去ったというのに……


(我々の世界では……)


「…………」


もし一言でも、自分の逆鱗に触れる言葉を発すれば、その時は我を忘れて消し去ってやる……


(我々の……我々の…われ…わわ……)


「…………?」


アニーさんの願いを裏切らないで復讐する口実が欲しい……憎む言葉を吐け、そう願っていた時、巨人は突如、狂ったテープのように言葉がおかしくなる。

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