異世界のアフレクションネクロマンサー164
「リーフさん…アフレクションネクロマンサーは……」
リーフがアフレクションネクロマンサーになる決意を決めた理由は分からないが、それを止める理由は無い所か、この先の事を考えれば、彼女がアフレクションネクロマンサーになる決意というのは重要な要因になるはず。
自分の加護の中で守ってあげられるなら、それで良いのだが、全てが終わる前に、自分の命尽きて守れなくなった時にアフレクションネクロマンサーの名を掲げるのはリーフになるだろう。
ここでリーフをアフレクションネクロマンサーとして育てなければ、御旗としてただの飾りとなってしまい、それはきっと、彼女にとっても苦しい思いをする。
ならば、ここで自分が為すべき事は決まっている。
「アフレクションネクロマンサーになるのなら、言っておかないといけない事があります」
「はい」
「私自身、アフレクションネクロマンサーという存在がどんなものか分かりません……少し推測するのなら、アフレクションネクロマンサーはあくまでも呼称名に過ぎないもので、この世界に来たアフレクションネクロマンサーの力は全てバラバラだったと思います」
「はい」
「なので、何をどうしたら良いのかと言うのはありませんが、少なくとも私達は霊力とマナを組み合わせる事が出来るという特殊な能力を共通して持っています」
「はい」
「けれど、この共通する能力には若干の差異があります…それは霊能者がマナを扱うという事と、エルフが霊力を扱うという差異です」
そこで、礼人は自分の白髪の髪を触り、水晶と化した左眼を軽く叩く。
「必ずしもそうなる訳では無いけど、同じ結末を辿るかもしれない……」
「脅している訳ではありませんが、リーフさんには私と同じ結末にならないように努力します」
「信じます」
「信じる」その言葉がアフレクションネクロマンサーになる覚悟として受け取ると、礼人はベットから腰を上げて、
「それじゃあ……難しい話は後にして、アフレクションネクロマンサーになる第一弾として、特製な物を作りたいのですが……ペンダントか指輪みたいな身に付ける物はありますか?」
「はい!!それなら、鍛冶場に行きましょう!!」
「鍛冶ばっ!?」
「善は急げです!!」
手頃な物に霊力を込めようと思ったのだが、リーフは礼人の手を掴んで鍛冶場の方へと向かうのであった。




