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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー161

リーフは、布団の端から手を忍ばせてアフレクションネクロマンサー様の頬を触ると、とても冷たかった。


その冷たさは戦場で、まともに休む事が出来ない兵士のように冷え切っていて、


「無理をされていたんですね」


自分達を守り、願いを叶える為にその身を削ってくれていた。


アフレクションネクロマンサー様は、向こう側の存在と争い戦い、誰よりも気高く振る舞ってみせるが、それは無茶をしているだけ。


本当は、向こう側の存在と戦えるだけのこちら側の人。


神が手をかざすだけで悪しき者を滅ぼすように、アフレクションネクロマンサー様も悪しき者を滅ぼすが、アフレクションネクロマンサー様は命を削っている。


神のように思うだけで、気のままに好き勝手出来ない。


思えば思うがままに何でも出来てしまう神様ではない。


神と同じような事をする為に、精魂尽きるまで消耗しきる人。


自分達が願った物を与える為に、命を代わりに差し出す。


アフレクションネクロマンサー様が、みんなを守る為に身も命も犠牲にしてくれていたのは、出来損ないの人魚との戦いの後、深い眠りに付かれた時に気付いていたのに、


「ごめんなさい……」


アフレクションネクロマンサー様が頑張って……頑張って頑張って歯を喰いしばる苦しい思いを、みんなの代わりに受け止めてくれたから、こうして生きていられるのに、


「ゆっくり休んで下さい……」


生きるという事が騙されているという絶望から、必死に戦ってくれたアフレクションネクロマンサー様の行いが無意味だったと忘れてしまい、本国の人から生きているのは無意味だと突き付けられても、絶望に立ち向かうアフレクションネクロマンサー様を別世界の存在と目を背け、彼を突き放そうとした。


だけど、彼が必死になって運命に抗おうとしてくれているのを思い出して、自分の胸元に抱き寄せると、彼に自分の体温を分けるのであった。

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