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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー138

「とりあえず、部隊の編成からだな」


「あぁ、怪我が浅い者は物資の運搬を専念させよう。それを念頭において班編成だ」


「戦争で使う食料は底を付いている……各家庭から食料を集めよう」


「そうだな。そうしよう」


「後、鉄も集めて欲しい。鍋も溶かせば修繕に使える」


仕方無く戦場に連れていかれるのではなく、自ら、戦場に行く覚悟を決めてくれたお陰で、みんなの気持ちは前を向き、この進行戦に勝つにはどうしたら良いのかを、自分達の身を削る覚悟で話し合ってくれる。


「みんな、ありがとう。後から本国より物資が送られてくる手筈になっている。届けられた物資は、戦場に運ぶ前に街から徴収した分を回収して欲しい」


みんなの、献身的な態度はありがたかった。


ニードゥス様は物資を送ってくれると言ったが、物資が届くまでは自分達の生活を切り詰めて持ち出しをするしかない。


戦争をするのはタダではない。


戦争に勝とうが負けようが、ゲームみたいにリザルトが流れて、次の時には全てが元通りにならない。


戦争をすれば、戦場に持っていた武器も防具もほとんどダメになり、兵糧も底を突く。


戦争で使ってしまった物資は、本来なら次の持ち回りまでに準備するのだが、今回は続けての戦争。


常に本国へと物資を貢ぐフレン達に、二度目の戦争に使う為の貯蓄等無く、戦争をするのなら、みんなの家庭から食料はもちろん、鉄類も徴収しないといけない。


だが、戦争が終わった後のギリギリな状態で、それをしてしまえば、苦しい生活から極貧な状況となり、みんなの家からすすり泣きが聞こえてくるであろうが、


「後から物資が届くのですか!?ならば、少々の無理は通さねばなりませんね!!」


それでも、一時的な事だと耐え忍ぶと言ってくれる。


フレンは、みんなの覚悟に支えられ、後押しされている事を自覚し、息を一度吐いて、街を治める心優しき長としてでなく、非情なる戦場で生き残るための指揮官としての気持ちを奮い立たせ、


「みんな……これから、進行戦を宣言する!!この戦争は非常事態に付き、各家庭からの物資の徴収を命令する!!」


「「「はい!!!!」」」


みんなに甘えるのではなく、指揮官として自ら非情な指示を下す。


フレンの目付き、口調が戦場で見る司令官になっているのを分かると、全員が立ち上がって直立不動になり、


「この戦いは戦士である我々だけでなく、みんなの家族にも苦しい思いをさせる事になる……だが、この戦いで勝つという事は街に住む者達、全ての未来に繋がる!!苦しい思いを越えて勝利を掴む!!」


「「「おぉ!!!!」」」


フレンからの鼓舞に全員が拳を突き上げて、街の住民から、戦場に立つ兵士へと変わる。

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