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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー137

飲み込むのに苦労する苦い苦いお薬を、飲み込ませる為に勢いを作り、


「……これが吉報になるかは分からないが、今回の作戦においては私が将軍となり、貴族の者達に口出しをさせないという約束となっている」


「なんとフレン様が!?」


「将軍になられたのですか!?」


ここでみんなが、苦い薬を飲む事を納得出来るように、最大限の誠意を見せると、全員が戦場に行くという事よりも、フレン様が将軍になる事に大きな声を上げて湧き立つ。


どんなに優秀で、本国に尽くそうとも、貴族の補佐という越えられない壁に叩き付けられるのが現実であったのに、


「今回の作戦をどうしても成功させたいらしく、一時的に将軍になる事を任命されたが、もしも、今回の作戦を成功させたあかつきには、そのまま私を将軍に据えるという約束もされている」


「そんな事が!?」


街から将軍が産まれる等、異例中の異例。


散々、こき使われて来たが、フレン様が将軍となれば戦場での環境が変わるだけでなく、色んな街から将軍が輩出されるようになれば、より良い生活が出来るようになるかもしれないと希望を抱く。


「みんな、この話は本国の命令だからという事実もあるが、アフレクションネクロマンサー様の言う通り、今までは戦場に行くというのはとは訳が違う。敵に攻められないようにする防衛戦だったのが、今回は他の街との合同「進攻」戦になる」


「進攻戦を…我々の方から仕掛けるのか……」


「他の街との合同に、アフレクションネクロマンサー様がいらっしゃるのなら……これは最大のチャンスなのかもしれない」


煮え湯を飲まされ続けた自分達が、向こうに煮え湯を飲ませる番だというだけでも信じられないのに、フレン様から、アフレクションネクロマンサー様から出されてくる魅力的な話は、夢の中にいるような不思議な感覚になってしまう。


今までとは違う、高揚感に戸惑いを隠せずに、皆が皆、互いに顔を合わせて講堂がざわつくが、


「だが、これだけは言っておきたい。将軍になりたいから、こんな無茶苦茶な事を受けた訳では無い。みんなの命は何よりも大事だ……しかし、ここでの拠点奪還は、どうしても成功させたい……それが、我々の未来に繋がる」


「フレン様……」


「戦場からやっと離れられたのに、続けて命をくれと言うのを許して欲しい」


フレンが頭を下げて御願いするを姿を見て、不思議な感覚に包まれていた気持ちが引き締まり、皆、口を真一文字まいちもんじにして、


「仕方ありません。フレン様」


「戦場に行ける者と食料の確認をしておきます」


「武器と防具は……作れるだけ作って、その都度送ります」


「頼む」


これが、今後の運命を左右する一戦になるのだと肝に銘じる。

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