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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー132

「扱いきれない?それは赤い液体を渡すメリットと反しているように思えるが?」


先程の、赤い液体を渡す事によってマナの消費を抑えるという話だったが、扱いきれないというのなら無用の長物となり、結局はマナを消費し続ける形になると思うのは自然な発想であるのだが、


「いえ、赤い液体を扱いきれなくて良いんです。機銃車を動かすのにマナを大量に使われるのも困りますが、赤い液体を生産出来るようになっても困るんです……本国の人に求めるのは、赤い液体の粗悪品を作れる程度には、技術を高める事です」


「赤い液体の粗悪品?」


「そうです。機銃車は移動も、弾丸を撃つのもマナを消費します。そこで粗悪な赤い液体を代用品に使えば、機銃車は百パーセントの性能を発揮する事が出来ません」


赤い液体のサンプルを本国の者達に渡す事で、自らの手で劣化品を作らせるのが礼人の思惑。


そんな、赤い液体の研究という面倒臭いことをせず、ここからマナを貯蔵して持って行くという事も出来るだろうが、マナも生もの。


長い時間を掛けて輸送するだけでも鮮度が落ちるというのに、穢れた大地の影響下ではマナの力もどんどん失われていく。


それを防ぐには、大量のマナを持って行かないといけなくなるが、マナという資源が底を突きかけているのだから、それは最後の手段。


最後の手段の前に、粗悪な赤い液体を作れるようにする事でマナの消費も抑えつつ、


「うむ、鉄騎兵をものともしないアフレクションネクロマンサー様なら、粗悪な赤い液体を使った兵器など、赤子の手をひねるも同然という事だな」


「ご名答です。粗悪品な赤い液体を使っている機銃車なら、問題はありません」


こっちの切り札であるアフレクションネクロマンサーなら、楽に始末を付けられるというアフターサービスが待っている。


赤い液体を渡すと言っても、こちらとて頭を下げて言いなりになるつもりはない。


赤い液体という魅力的な物を渡す事が、こちらの逆転の火種を相手の懐に忍ばせる事となる。

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