異世界のアフレクションネクロマンサー127
吠えたフレン。
「鳥」という自分達を見張っている存在を、オーク達が知るというのは本国に対する盾突く行為であり、知っている事がバレれば殺されても文句は言えない。
だから、知ってしまって不信感から眉を一つ動かし、知っているからこそ緊張から唇を舐めてしまわないように、処刑されないように教えなかったのに、
「ビレーさん達の身を案じているのは分かりますが、所々を言ってうやむやにするでは無く、真実を言わなければならないでしょ。」
「君は!!事の重大さを理解していない!!」
これによって、後戻りが出来なくなってしまった。
まだ、本国と争うのか従順に従うのか、決めていなかったはずなのに、勝手な事をするアフレクションネクロマンサーを責めようとするが、
「帰る故郷も無く、待っていてくれる人がいないから、何かあれば無責任に逃げ出せる……そうかもしれませんが、その何も無い第三者の視点から言わせて貰えれば、もうひた隠しにしている場合では無いですよ。教えない事で長生き出来るなら自分だって黙っていますが、知らなければ死ぬ状況なんです」
「ぐっ……」
「何も、この街に住む人達全員に真実を伝えようと言っているのではありません。申し訳無いですが、ビレーさんとベルガさんには地獄に付き合って貰うべきです」
逆に自分の方が責め立てられる……いや、アフレクションネクロマンサーが言っている事の方が正しいと分かっているから、反論をしないのだ。
「包み隠さずに言いましょう。貴族もしょせんは駒でしかない事、本国に住んでいるのは貴族では無く「本国の人」がいるという事を……そして、その人達が一体何を望んでいるのかを、ビレーさん達に教えないと後悔しますよ」
「…………」
「教えてくれフレン……我々オーク達が本国に触れる事は死を意味するのは分かっている。だから、我々が変な動きをして処刑されないように黙っていたのも……だが、アフレクションネクロマンサー様が言うのが本当なら……いや、アフレクションネクロマンサー様が言う事に反論しないのなら、それがお前の中にある答えのはずだ」
ベルガは、友であるフレンが黙っているのは、本国の為では無く我々を守る為だというのは察していたが、その守ろうとしてくれている行為が今においては、逆にみんなの未来を閉ざす事になるのではと思うのであった。




