異世界のアフレクションネクロマンサー114
「あの人は、フレンさん達を保護したいとは言っていましたが、その「達」の中の内訳を話していませんでしたよね?」
「内訳?」
ニードゥスとの話し合いの時、確かにフレン達の事に付いては色々と気に掛けてくれていたが……
「街の人達に付いては、一切言及していませんでしたよね?」
「それは!?」
ニードゥスの話の中身は、フレン達に対して苦労掛ける事を謝罪し、フレン達に対して幸せになって欲しいと願っていたが……
「その「達」と言うのは、街にいるエルフのみを差しているんじゃないのでしょうか?」
「待ってくれ!?」
ここで、初めてフレンが待ったを掛ける、ここまで来たら嫌でも想像が付く、ニードゥスが話さなかった真実は、
「街にいるエルフ以外の存在……ビレーさん達、他の種族には死んで貰わないといけない事を、隠していたんじゃないでしょうか」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
ニードゥスの描いている世界には、ビレー達他の種族達の席は用意されていない……それがニードゥスの真実。
「どうなさいましたか!?フレン様!?」
決して救われない報われない事実に耐え切れなくなったリーフは、礼人のいう真実を消そうと金切り声を上げてしまい、悲鳴を聞いた御頭が何事かと慌てるが、
「すまん!!大丈夫だ!!話し合いしかしていない!!」
オークである御頭に、この事実を聞かせる訳にもいかず、言い訳にすらなっていないが、話し合いだと言って、こちらに関与しないように命令する。
「……承知致しました」
フレンから大丈夫だと言われては、籠を停めて中に入り込むことは出来ず、籠を走らせる。
事が露呈しなかった事に胸を撫で下ろしながら、悲鳴を上げたリーフに視線を向け、金切り声を上げた事を咎めようと、話を聞けないというのなら耳を塞げと言おうとしたが、リーフは既に耳を塞いで体を丸くしていた。
これ以上の真実は受け入れないと、聞かなければ良かったと後悔しながら塞ぎ込むリーフ。
自ら塞ぎ込む事を選んだリーフではあるが、金切り声を上げた事を一言咎めたい気もしたが、
「話を続けましょう」
「そうだな……」
礼人も、悲鳴を上げて事を荒立てかけたリーフを横目に見たが、丸まって塞ぎ込む姿に、これ以上邪魔をしないなら許すと、気に留めずに話を続ける。




