異世界のアフレクションネクロマンサー112
「……私が辿り着いた答えは限りなく、正解に近いと確信しています。この答えを知ったら、あなたは知らなかったではすみません。知った上で罪を背負って生きて行く事になります……覚悟はありますね?」
大人の方の彼は、残酷な現実を突き付けないようにしてやっているのに、知らなければ罪の意識に悩まされずに済むと言うのに……興味本位で聞こうとしているんじゃないんだよな?と、残酷な現実を聞いて、絶望の淵に立たされても、自暴自棄にならずに長としての責務を全う出来るのだろうなと問い詰めてくるが、
「……あるさ。あるから、街の長をやっている」
フレンは、残酷な現実を受け入れてもなお、街にいるみんなを導くと約束する。
そのフレンの言葉の重みは言霊となって、礼人の心に響き、彼の覚悟に嘘偽りが無い事を認めると、
「……分かりました。私の見解は、この世界のマナは限界に達しています。リザードマンを皆殺しにしても、マナの回復は見込めず。あなた達、他の街にいる人達を間引きしなければならない状況に陥っているのでしょう」
「何を根拠に、そんな事を言っているんですか!?」
フレンと対話をしようとしたが、その話に納得出来無くてリーフが叫んで邪魔してくる。
「間引くとか…ペットとか…私達は…私達は……家畜じゃないんです!!ふざけた事を言わないで下さい!!」
礼人の、執拗に責め立てる言葉に、リーフの堪忍袋が切れる。
自分達の事を人としてみない発言を、目の前でされて「はい、そうですか」等言えず、汚らしい言葉を吐き続けるのを黙らせようと、震えながら怒りをぶちまける。
彼女の怒りは本物で、礼人を黙らせようとする怒気にはフレンと同じように言霊が宿って、中途半端な想いで言っていない事は分かり、
「良いでしょう。あなたにも。残酷な現実を知って貰いましょう」
甘い甘い夢想に舌を這わせるリーフにも、栄養の無い甘い甘いソフトクリームを舐めているだけでは、いつか死んでしまう事を、不味くても臭くても草を、肉を食べなければ生きていけない事を彼女に対して教える事にする。
「リーフさんは、何で敵陣のど真ん中にいたのですか?」
「それが、何か関係あるんですか?」
「あります。答えて下さい」
唐突な質問に意味が分からないとリーフは訴えるが、この質問は、唐突な質問じゃないと、答えるように問い詰められてしまい、
「…はぐれたんです。敵の奇襲にあって、貴族の方達が私達を囮にして逃げて……」
「それが答えですよ。本国の人は、あなた達を間引くために無能で、地位や権利を欲する貴族に指揮を執らせているんです」
「何を言っているんですか!?」
渋々と、あの時何があったのか答えると、それこそが答えだと言われてしまう。




