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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー111

ニードゥス様も気付いていたが、この子はアンバランスなのだ。


覚悟を決められるような度量があるかと思えば、子供の繊細さがある。


さっきまでは、大人として残酷な現実を突き付けようとしていたが、本当に残酷な答えを導き出してしまった途端に、これを言ってしまっては相手を傷付けてしまうと、だんまりを決め込もうとした。


彼の心の中には二つの二面性があり、今はその子供の繊細さの部分が出しまっている。


今の彼は子供なのだから「言いたくないなら、言わなくて良い」と言ってあげるのが大人の対応なのかもしれないが、


「……自分が思っている事は、推測に過ぎません」


「いいや違う!!君は私達エルフよりも優れた能力を持っている!!それはすなわち預言者と同等の力が、勘があると言っても良いはずだ!!」


ここで、彼の口を貝のように閉ざさせてはいけない、無理にでも大人の彼を引き摺り出さなければならない。


ここで、彼が子供のまま口を閉じてしまえば、本当に知りたい穢れた答えを溶かし、次に口を開いた時は偽物の珠を出してくる。


「君の仕草から分かるよ……我々にとって良くない事なんだろ?だとしても、知らなければならない。知らなければ街にいる家族を守り、運命をくつがせないはずだ……答えてくれ、私達は子供じゃない!!」


テカテカと上辺だけ光沢がある偽物の珠はいらない、どんなに穢れていても真珠が欲しいのだ。


何とか彼の、心の中に引っ込んでしまった大人に訴え掛けると、


「……前置きとして言っておきます……私は、預言者じゃありません……けれど、それなりに精度の高い推測は出来ると思います」


フレンの熱意に反応したのか、礼人の口調が変わる。


礼人は、自分が辿り着いた答えはあまりにも残酷だと、生み出した真実の真珠を噛み砕き、嘘の唾液で丸く固めてコーティングしてから、少しでもフレン達に希望を持たせようとしたが、それを望まないというのなら、


「リザードマンを殺すだけで、事は足りるんですか?」


「なに?」


いびつな真珠を吐き出す。


フレンは礼人の導き出した答えしれば、この先で待ち受ける運命を変える事が出来るかもしれないと希望を微かに抱いていたが、


「もう一度言います……この世界はリザードマンを殺すだけで、元の世界に戻れるんですか!?」


今度は礼人の方から、ここからの話をするなら微かな希望すら抱くなと、怒鳴り付けられてしまう。

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