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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中63

それは花占いのように一つ一つ、命の花びらを摘みながらでも決めても良いのかもしれない。


鋼鉄の巨人は踵を返し、


(手伝え我が同胞よ。我々の仲間だと証……)


放心して無気力になっていたアニーに対して気を入れさせるのと、自分達側の味方に完全に引き込むためにも、昔の仲間達を殺させて後戻り出来ないように指示を下そうとしたが、


「あまり人間の私を舐めないで頂きましょうか!!」


ほとんど自分達側に取り込んでいたはずなのに、アニーから再び白く輝く光の矢が放たれると、鋼鉄の巨人は頭を貫抜かれて気が遠くなる。


頭を光の矢で撃ち抜かれてぐらつく鋼鉄の巨人だが、体の中の怨霊で頭は修復されて、すぐにまた動き出すであろう。


時間としてはそんなに長い時を稼ぐことは出来ないだろうが、その少しの隙にアニーは鋼鉄の巨人の横を駆け抜ける。


光の矢を放った瞬間、迷わず走り出したアニー。


そこには先程までの茫然自失となっていた彼はいない。


ひょっとするとぐらついたのは演技で走り出した自分を狙って拳が飛んでくるかもしれない、もしかしたら裏切った自分を処刑するためにがむしゃらに暴れ出すかもしれない……そんな危険性を一切考える事無くアニーは走る。


アニーが迷わず、危険を顧みずに向かった先は、


「礼人!!目を開けなさい!!」


全てを諦め、雪の上で若い命を終わらせようとしていた礼人の下であった。


ふらつく鋼鉄の巨人の隙を突いて、アニーは雪を蹴り上げながら先にいる礼人の下へと脇目も降らずに辿り着くと、


「あなたはまだまだですね!!」


命を吸う雪の上から礼人を一気に引っぺがし、そのままの勢いで力無くぐったりとしている礼人を抱え込んで無理矢理森の中へと連れて込む。


この時だけはアニーも、鋼鉄の巨人に背中を向けて走り出すことにゾッとする恐怖を背中に覚えたが、鋼鉄の巨人に追われること無くそのまま森の中へと身を隠すことが出来た。

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