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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー78

(これは……)


周囲に炎を吐いて身を焼きながら戦う、最後の手段とは違う……


(体が…燃えている?)


皮膚を覆う鱗が燃えている。


自分の呼吸に合わせて鱗の中で炎が胎動する。


炎を吐いていないのに吐息が赤み帯び、感じた事も無い力に心臓が高鳴るが、


(出て来い……)


それはさっきの自分を呪った慟哭とは違う、燃え上がる体と違って、本能は驚く程に冷めて、冷たく言葉を吐く。


もしも、普段の戦場なら、燃えがる力のままに気持ちを高揚させて戦っていただろうが、


(お前も…俺と一緒なんだろ)


冷たくなった本能が告げたのは、自分達を襲った何かは、今の不思議な状態な自分と同じ存在だということ。


何を根拠にと言われたら、説明出来ないが、


『ガサ…ガサ…ガサ……』


音も無く、森の中を駆けていた静かなる暗殺者が、応えるように少し離れた所の木々を揺らして音を鳴らし、


『パチ…パチ…パチ……』


自分もまた、周囲の葉を焦がして共鳴する。


ことわりから離れた異質な者同士、惹かれ合って互いの存在を感じ合い、


(あれが……)


静かなる暗殺者は、惹かれ合う感覚に逆らう事無く、その姿を見せる。


(お前も…リザードマンなのか……)


自分達と同じマナを蓄える鱗があり、丸い瞳から楕円に変わる瞳……自分達と同じ姿をしているならば、説明をする必要はないのだが、


(手足が無い……?)


目の前にいるリザードマンらしき者には、手足が無い。


しかし、それは決して戦争とかで欠損してしまったという雰囲気ではなく、


『ガサ…ガサ…ガサ……』


(くっ……)


姿を見せた、手足の無い暗殺者は、木をつたうと森の中に隠れる。


見たことの無い動きであったが、自分の首をつたった時の感覚が思い出されると、首に手を当てて擦り、


(だから、足音が鳴らないのか……)


あの、なぞるような感覚、当り前の話だが動く時には足を上げて、下げて大地を踏みしめるから足音が鳴るが、あの大地に這わせる動きなら、物音を最小限に抑える事が出来る。

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