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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
624/1400

異世界のアフレクションネクロマンサー73

________


「うっ……」


どれだけ寝ていたのだろうか?


(ま…ぶし……)


久方に感じる、まぶた越しの光は眩しくて、目を開けられないが、それでも手は動く。


自分の顔を触り、口を触り、喉に触れて、胸を擦り、


「生きて…る……」


手を目に持って来て、指の隙間から世界を見る。


「牢獄…いや…これは……」


鉄格子で四方を囲まれているのは間違い無いのだが……外にいる。


空から注ぐ太陽の光から逃げるように、仰向けになっていた体を転がし、うつ伏せになって手に力を入れながら、足にも力を入れて立ち上がって、


「確か……」


自分が何をしていたのかを思い出そうとする。


自分の記憶の中を辿る……そこは、こんな光の届く場所では無く、太陽の光を誰よりもその身に受けようとする木のせいで、大地に光が届かない薄暗い森の中……


(良いか、目標はリディだ)


隊の指揮を執る者が、これから自分達が行おうとする事の再確認をする。


(今回、裏切り者のリディが、鉄騎兵を作る拠点に視察するという情報を捕虜から手にした。我々を裏切りるだけでも許されないというのに、己の欲望の為に秘宝を持ち出して、自らエルフに頭を垂れるという恥知らずまでしたリディを、生かしておくことは出来ない)


「そうだ…それが……任務だった」


秘宝を持って逃げ出したリディの殺害任務……その後も、部隊の指揮を高める演説が行われていたが……そこの記憶はもう十分なので、早送りする。


自分の身に何が起きたのかを思い出すのに大切な所を探す為、十秒毎に動画を飛ばす早送りのように記憶飛ばして行くと、記憶の映像がカクカクと切り替わる。


どこかに、事の発端が映っている記憶があると、記憶を飛ばして行くと、


「あっ……」


自分の心に引っ掛かった所で、再生が始まる。


(なぁ……)


(どうした?)


(俺達、生きて帰れるよな?)


(当り前じゃないか、戦争をしろって言われた訳じゃないだろ?)


(そ…そうだよな……)


(指揮官だって言ってたじゃないか。リディとエルフがやり合っているのに乗じて、リディを始末して、そのまま逃げる……それ以上の事は望んでいないって)


再生が始まった所にいたのは、一緒に軍に入れられた友であった。


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