異世界のアフレクションネクロマンサー66
フレンは、自分に話しを振られた事に、目を一瞬丸くして驚くが、
「…彼等から得られる情報は貴重でしょうから、保護します」
「うむ。馬鹿者はむやみやたらに処刑と騒ぐが、戦争に置いて情報は役に立つ。投降するというのは、口を自ら割るのと同意義。協力させるのが妥当だ」
模範的な回答に頷いて納得するが、
「だが、これが何百…何千人となって来たらどうする?」
「それは……」
ここで意地悪をするような質問をして、困らせる。
何百人、何千人の捕虜。
そんなのを、事前の準備も無しに受け入れられる訳が無い。
食料と衣服とか、それだけではなく、それだけの人数が集まれば監視する為の人員だって割く事になる。
気持ちとしては、全員を捕虜として保護してあげたいが……
「そうだ。もし、私が指揮を執っている時に何百人、何千人と投降して来たら、ある程度は処刑する……これが、現実だ。リミィには、私達以上に投降して来た者達を、自分の所に招き入れる程の国力は無い」
それが現実問題。
自分達を乗せるだけで手一杯な船に、溺れそうな者達がいるからと言って、助けていては自分達ごと沈んでしまう。
「彼女も、保護出来るならするだろうが、下手に同情して国を沈める訳にはいかん。それが国を治める者の役目……罪と業を背負って、捕らえた者共を無慈悲に処刑するというのが方針なのだろう」
「そうですか……」
礼人は、ニードゥスの答えに、
(随分と、最もらしい事を言うな……)
不満を抱く。
さっき、ニードゥスが言った通り、礼人とリミィがあったのは、ほんの一時。
そんな一時の出会いで、全てを理解する事等出来るはずは無いのだが、
(リミィを現実主義者だというのなら、それこそお門違いだ)
あの一瞬で感じたリミィに対しての想いは、誇り高き人だ。




