異世界のアフレクションネクロマンサー63
「赤い液体の事だが…知ってるも何も、リミィがアフレクションネクロマンサーが残した麗騎兵から研究して、作った物だからね」
「なるほど…それは、皆さんにとっては、周知の事実という事なのですね?」
「そう。あの赤い液体は、ここにいた時から作っていたよ」
楽しい楽しい談話の始まり、ニードゥスは舌の先から根元まで味わった赤い水が、過去の事を思い出す。
リミィがあの日、自分の執務室にノックもせずに入り込み、
「出来ました!!マナに代わる物を!!」
私が「はしたない」とたしなめる前に、赤い液体が満たされた水差しを持って来た事を……
あの時のリミィは嬉々としていた。
これで全てが変わると、この世界の崩壊を止めることが出来ると……彼女はそう信じていた……
「それで、なぜリミィはここから離れたのですか?」
「ふむっ……」
彼女が離れた理由……それは単純な話、彼女が作り出した研究成果で、何も変わらなかったからだ。
リミィは、この成果を議会で発表し、分裂していた勢力を一つにまとめ上げようとしたが、赤い液体を見た者達は、自分達の欲望を加速するための道具とし、リミィが作り上げたものを取り上げて、リミィが見ようとしていた夢を潰そうとした……
だから彼女は、研究資料を全て持って離反し、旧街を拠点にしたのだが、
「君は、なんでリミィの事を知っているのかい?」
「あっ…それは……」
「先に言っておくがリミィは本国の者で、私の派閥にいた…下手な嘘を付けばバレると思って貰いたい」
その事をタダで教えても構わなかったが、ここいらで、自分のつまみも味わって貰いたい。
礼人は、ニードゥスの飲みっぷりに気を取られ、さらに水を差し出そうとしたが、自分の口に酸っぱい木の実を放り込まれている事に、今になって気付き、本当の事を言うべきか……この木の実をかじった感想を素直に述べて良いのかと、悩みを見せてしまったが、
「アフレクションネクロマンサー様、ニードゥス様が言っているのは本当の事です」
ここで、リーフが助け舟を出してくれる。




