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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
異世界のアフレクションネクロマンサー
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異世界のアフレクションネクロマンサー44

見張りの塔と、大きな屋敷……さすがに、こんな場所を本国と言われて納得する訳も無いのだが、


(騙されている……?いや、騙すにしても、これは無いだろ)


フレンが、礼人の事を騙そうとしていたとしても、こんな場所を見せて納得させようとしていると言うのなら、あまりにも馬鹿にしている。


そもそも、自分の事を騙して、こんな遠くに連れて来る手間を掛ける事をしなくたって、街の主であるフレンなら、誰かに命令して街の外の、森の中に連れ込んで殺すなり、部屋の中で眠っている間に暗殺してしまえば訳も無い。


狐につままれた気分で、目の前の現実をどう受け止めたら良いのか戸惑ってしまうが、


(……地下にある?)


この塔から入り込むというのだろうか?


頭を捻らせて、出した地下という考え。


地下に住むという事は、敵から進行されにくいという意味では一番の選択肢かもしれない。


進行しようにも入り口は狭く、一度で大量の兵士を進行させるのは難しく、土を掘って進入路を確保するとしても莫大な日数が掛かり、大規模な作業を行わないといけなくなる。


そんな事をされたらすぐにでも異変に気付けるし、その作業を襲撃しに行く事も可能であろう。


そう考えれば地下というのは、敵から攻め込まれにくい最強な場所だが、


(でも、それって拠点の話じゃないのかな……)


そういうのは、あくまでも拠点の話であって、住む場所に適しているという話ではない。


空襲に対抗するために地下壕ちかごうを掘るというのは、自分の世界でもあり、各国にある物だが、それはあくまでも一時的な話に過ぎない。


地下となれば、酸素の問題もあれば空気の通り道が無ければ温度は上がり、飲み水の確保に排出された物を処理する衛生問題、それに食物を育てるのに太陽の日光だって必要になる。


地下というのは、あくまでも地上で作った物を蓄え、一時的な拠点にする場所であって、人が永遠に住むというには適した環境では無い。


自分自身を納得させる答えを、自分の持っている知識から探そうと頭を捻っていると、


「……アフレクションネクロマンサー様、ここは違うんです!!ここは中継所なんです!!」


「あっ…そうなんですね」


見ただけで全てを推察しようと頭を捻っていた、礼人の疑念は、リーフの言葉で簡単に晴れて消えた。


籠から降りた事で本国に辿り着いたと勘違いをし、目の前の塔と屋敷に捉われて、ここが単なる中継所だという発想が出来ず、


「でも、なんでこんな所に中継所を?」


また、一人で頭を悩ますより、答えを聞いた方が早いと素直に聞くと、


「オークのみんなは、本国に近付く事は許されないからです」


「あぁ……」


何とも、馬鹿らしい答えが返って来たが、納得せざるを得ない答えであった。

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