異世界のアフレクションネクロマンサー29
そんな、運命を捻じ曲げてしまったのではいのかという罪悪感から、寂しげにしているリーフに、
「……リーフさんには正直に話します」
あの、木々が生い茂る森のような公園でリミィと何があったのかを……ほんの少しの邂逅であったが、その時に何があったかを伝えると、
「リミィ様が亡くなられたのですか……」
「うん……リミィは、そんなに求心力が凄かったんですか?」
「……リミィ様本人が戦場で宣戦布告をするまでは、誰かに操られているのではと言われていて……今でも宣戦布告したのは偽物だと言う方もいるくらいです」
ただの悪人とは思っていなかったが、リーフの反応を見るにリミィの存在意義は自分が思っていた以上で、
「この事を知ったら、リミィさんの軍は壊滅しますかね?」
大将を失った軍、突発的に出来たゲリラのような存在にとって大将を失うというのは統治を失うに等しく、中心となるべき人物を失ったのなら、このまま自然に瓦解する可能性だってあるが、
「いえ、リミィ様にはリディというリザードマンの仲間がいるらしくて、その方が確かな血筋をお持ちらしくて……」
「なるほど、そこで自分の最期の命を掛けてアフレクションネクロマンサーを召還したと言えば、自分が死んでも盤石な状態を維持出来たという事か……」
彼女が死んだ理由はまでは分からないが、自分の死んだ後すらも考える辺り、肝の据わった人物であり、リーフが今でも「様」付けするのにも納得出来る。




